beacon

[国体少年男子]北海道の中学生MF川崎幹大が攻守で光る動き。青森山田中心の青森県相手に球際、前への動きでも健闘

このエントリーをはてなブックマークに追加

北海道の中学生MF川崎幹大(北海道コンサドーレ札幌U-15、中3)が青森県相手に攻守で奮闘。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.5 国体少年男子準決勝 北海道 0-0(PK3-4)青森県 下野市大松山運動公園 陸上競技場]

 相手は育成年代で最高クラスの強度を誇る青森山田高の選手たちで構成された青森県。その強敵に対し、北海道の中学生MF川崎幹大(北海道コンサドーレ札幌U-15、中3)が躍動した。

 運動量豊富なボランチは初戦から2試合連続先発出場。2回戦の京都府戦では後半アディショナルタイムに決勝点の起点となり、体力面を考慮されて交代出場した準々決勝・新潟県戦dでも同点ゴールをアシストした。そして、この日は前半から中盤の奪い合いで健闘。森川拓巳監督(北海道コンサドーレ札幌U-18)が「スーパー中学生です」と期待する川崎は、成長させてきた攻撃力も発揮する。

 積極的にボールを縦につけ、左サイドへ飛び出してワンツーからラストパスを狙うシーンもあった。「ボールを持ったらまず前向いて、ゴールに向かうということを意識してやっています。結構、今日は攻撃参加もできたし、セカンドボールの反応とかボールを拾えることができたと思います」。元々ボランチだが、北海道コンサドーレ札幌U-18でSH起用されたことで前への姿勢が高まったという。そのMFは攻撃以上に自信を持つ守備でも青森山田の選手たちに良く食い下がっていた。

 森川監督は川崎の凄さについて、「僕らが見えているところが見えている。よくあるんですけれども見えていないのかなというプレーがある中で、彼は『見えているな』『そこ選択する?』って。以前は単純に上手かったけれど、あまり攻撃に参加していなかった。SHとしてとにかく攻撃を覚えさせて、配球も前に行くようにしています」。現在は3歳年上の選手たちに交じり、プリンスリーグ北海道で先発も。高校生の中で揉まれ、同年代相手では余裕を持ってプレーできるようになった。そのMFは今回の経験も糧にさらなる成長を誓う。

「ゴールを狙うことやロングシュート、ミドルシュートだったり、自分がチームを勝たせるプレーをもっと磨いていきたいと思っています。もっと高校生の試合に出て中心というか、もっとチームに貢献したいですし、中学生(同士)だったらチームを引っ張っていけるようにしたい。得点に絡むこと、あとは一個上とかでも声を出したり。(声は)試合中とか少ないので、一個下とか関係なくやりたい。将来は守備でも、攻撃でも、どこにでもいるという選手になりたいです」

 北海道は27年ぶりに国体少年男子準決勝進出。4連戦となった準決勝では、序盤から優勢に試合を進めた。1点を奪うことが出来ず、PK戦の末に敗れたが、森川監督は「(今大会は)ボクの想像以上にやってくれました」と高評価。川崎ら北海道の選手たちは、3位決定戦を勝利し、より成長を遂げて北海道に帰る。

(取材・文 吉田太郎)
●第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」特集

TOP