beacon

[MOM4028]神奈川県DF加治佐海(川崎F U-18、1年)_ 関東トレセンリーグ得点王の右SB、国体決勝でスーパーゴール

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半23分、神奈川県右SB加治佐海(川崎フロンターレU-18、1年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.6 国体少年男子決勝 青森県 1-2 神奈川県 真岡市総合運動公園 陸上競技場]

 3年ぶりに開催された国体少年男子の部。そのフィナーレに相応しいスーパーゴールだった。

 青森県対神奈川県の決勝は、1-1で互いに譲らないまま試合終盤へ。迎えた後半23分、神奈川県は中央からの仕掛けで青森の守りを中央に引き寄せる。そして、左SB布施克真(日大藤沢高、1年)がタイミング良く右へ展開。ボールを受けた右SB加治佐海(川崎フロンターレU-18、1年=川崎フロンターレU-15出身)は空いた内側のスペースへドリブルで切れ込むと、そのまま左足を振り抜いた。

 ボールは鋭い孤を描き、ファーサイドのゴールネットへ。主将のMF高橋友矢(横浜FCユース、1年)も「スーパーゴール」と讃えた一撃に、決めた加治佐も、ピッチ内外の選手たちも、そしてスタッフも大興奮していた。

 右手を突き上げたままベンチ方向へ駆け寄った背番号14は、雨中のピッチでスライディング。芝に背をつけたまま咆哮する加治佐の下へ、神奈川の青いユニフォームが次々と飛び込んだ。

 加治佐は「やっぱり自分たちの“ちこちこサッカー”で敵を中に集結させてくれて、自分がサイドでフリーになって、ちょっとトラップズレちゃったんですけれども、そこからカットインして良いミドルシュートが打てて、本当に良かったです。自分でも驚いちゃって、あのゴールには。みんなが駆け寄ってくれて、喜びを分かちあえて、本当に良かったです」と微笑む。

 ボールを大事にビルドアップして相手を押し込み、多くの選手が湧き出るようにドリブルやコンビネーションで崩しに係わって、最終的にゴールをこじ開ける。関泰宣監督(横浜市立美しが丘中)や選手たちが、“ちこちこサッカー”と評した神奈川スタイル。全国大会決勝の試合終盤、同点というシチュエーションで、右SBがその仕留め役となった。

 加治佐は関東トレセンリーグで右SBながら得点王。今回の国体でも東京都との大一番で決勝ヘッドを決めている。この決勝だけの活躍ではなく、継続して得点力を発揮してきた。加えて、この日は右サイドから決定的なクロスを通したほか、推進力のあるドリブル、対人守備、空中戦の強さも発揮。攻守両面で存在感を放った加治佐は今後の目標を掲げる。

「これからもチームの方で活躍して行って、代表まで行けたらと思います」。国体決勝のヒーローは、試合序盤にミスが起きていることを反省。満足せずに努力を重ね、再び結果を残して初の代表入りを果たす。

(取材・文 吉田太郎)
●第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」特集

TOP