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[総理大臣杯]4年生のみが知る日本一の伝統を後輩へ、福岡大が岸田兄弟競弾など4発発進!

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2012年度第36回総理大臣杯全日本大学トーナメント
[7.8 総理大臣杯1回戦 福岡大4-0新潟医療福祉大 J-GREEN堺 S9]

 現U-23日本代表のFW永井謙佑(現名古屋)を擁した09年度以来の日本一を狙う福岡大(九州1)が4発発進! 2012年度 第36回 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントは8日、大阪府のJ-GREEN堺で1回戦16試合を行い、福岡大対新潟医療福祉大(北信越2)戦はFW岸田和人(4年=大分U-18)の2得点の活躍など福大が4-0で快勝。好スタートを切った福大は10日の2回戦で阪南大(関西3)と対戦する。

「昨年は1年生を5人使った。今年は単に可能性ではなく、結果につなげなければいけない。全国のトップに立つという財産。これを次に遺産を受け継いでいかなければいけない」。福岡大の乾真寛監督は今年、全国タイトルを獲ることの重要性を口にした。日本代表MF清武弘嗣(ニュルンベルク)を兄に持つMF清武功暉(4年=大分U-18、サガン鳥栖特別指定選手)と名古屋、C大阪、磐田などが獲得に乗り出していると伝えられている注目CB牟田雄祐主将(4年=筑陽学園高)が1年生レギュラーだった09年は、永井の5得点の活躍などで悲願の初優勝。同年の全日本大学選手権でも準優勝した。ただ、昨年の天皇杯でJ1の大宮を破るなどインパクトのある戦いを見せた福大だが、過去2年間は大学の全国4強の壁を破ることができず。日本一を経験した2人や登録メンバー入りしていた当時の1年生たちも最上級生となり、福大で日本一を知る選手たちはわずかとなってしまった。

 今年全国制覇しなければ、大学日本一を知る世代が全て卒業してしまう。それだけに福大の今年に懸ける意気込みは非常に強いものがある。牟田は「1年生の時に総理大臣杯で優勝して、あの時は無我夢中でやっていただけでしたけど、ここでしっかりと日本一を経験することで後輩にもいい伝統をつなげますし、それが福岡大学のためになる。雰囲気もそうですし、次にいい伝統をつなげていければと思います。日本一の応援もついていますし、日本一の監督もいますし、しっかり練習もやれたんでそこは今、自信を持ってやれている。日本一になること。言葉で示すよりも結果で伝えられればいい」と力を込めた。

 試合はその福大が動かした。前半24分、右サイドをえぐった清武のクロスからFW田中智大(4年=福岡U-18)が右足シュート。GKが弾いたところへ走りこんでいた岸田和が右足で押し込み、先制した。その後も清武の直接FKなどで相手ゴールへシュートを浴びせる福大は40分にもMF田村友(2年=九州国際大付高)、田中とつないだボールを岸田和が左足でゴールへと流し込んで2-0とリードを広げた。

 右サイドからの仕掛けと積極的なシュートを見せていたFW中田大貴(2年=富山一高)やFW小底朝陽(1年=新潟ユース)、MF鈴木裕明(4年=帝京長岡高)の個人技を活かして攻める新潟医療大は何とか前線へボールを預けようとするが、ともに187cmの牟田と大武峻(2年=筑陽学園高)の両CBを擁する福大は動じることなく、相手の攻撃を跳ね返していく。

 逆に後半18分、福大は清武とのワンツーでPAへ飛び込んだ田中が強烈な右足シュートを叩き込んで3-0。押し込まれながらもゴール前の好守で耐えていた新潟医療大を突き放すと、24分にも右サイドから豪快に切れ込んだSB岸田翔平(4年=大分U-18)が2発の兄・和人に続くファインゴールを左足で決めた。終盤、攻撃の手を緩めて試合をコントロールした福大は全日本大学選抜GK藤嶋栄介(3年=大津高)とGK大森圭悟(3年=広島ユース)の両GKをテスト。次戦以降も見据えた戦いぶりで初戦の90分間を4-0で終えた。

 足首の負傷で離脱していた全日本大学選抜のFW山崎凌吾(2年=玉野光南高)を温存しながらも阪南大との2回戦へ進出。乾監督は「決勝と同じくらいの気持ちで臨む」とV候補同士の一戦への決意を語っていた。3月の練習試合では0-7で敗れているという相手だが、今回は違う。清武が「去年に比べれば攻撃陣は厚みがあると思いますし、ディフェンスに関しても去年の財産というかあれだけJ1(大宮)に対してやれた。みんなの意識もあるし、去年よりも今年はバランスが取れていると思います」と手ごたえを口にする戦力で雪辱を果たすつもりだ。

 あくまで目標は優勝だけ。清武は「1年生の時に優勝しているので、この4年で優勝したいなというのがやっぱりありますし、それが福大の伝統にもなると思う。ボクら1年の時は何も知らないで上が強くて優勝させてもらいましたけれど、今年もそれができるように頑張りたい。夏も冬も日本一を獲るということが目標。そのために厳しい練習をしてきた」。強豪対決を制してまずは8強へ名乗りを上げる。

[写真]後半18分、福岡大FW田中が右足でチーム3点目のゴール 
(取材・文 吉田太郎)
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