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[総理大臣杯]関西大、3発快勝で関西連覇

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[6.1 関西学生選手権決勝 大阪体育大1-3関西大]

 1日、第37回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの出場権を懸けた第42回関西学生サッカー選手権大会決勝、関西大対大阪体育大戦が行われた。前回王者・関大は3-1で快勝。連覇を果たした。敗れた大体大は4年連続での大会2位。今回も優勝まであと一歩及ばなかった。

 前回王者の強さは、今年も健在だった。決勝までの道程は決して順調だったわけではない。延長戦や逆転勝利を経て辿り着いた準決勝・桃山学院大戦の決着はPK戦にまでもつれ込んだ。そこから中2日で臨んだ決勝だったが、疲れを見せず攻守ともに躍動した。

「今季一番の前半だった」と島岡健太監督が評価した序盤。関大はリズムある攻撃で流れを引き寄せた。MF和田篤紀(3年=神戸U-18)が中盤から繰り出すパスでチャンスを何度も演出。ストライカー・FW久保綾祐(4年=関西大一高)も積極的にシュートを狙った。攻撃面のみならず、この日光ったのは守備面。大体大の強力2トップ、今大会5得点のFW伊佐耕平(4年=神戸科学技術高)、澤上竜二(2年=飛龍高)の突破に体を張った守備で対応。GK崔創喜(4年=F東京U-18)もビッグセーブを見せ、決定機を回避した。そして、迎えた前半31分、和田のCKに対し、ニアサイドへ走り込んだDF寺岡真弘(4年=神戸U-18)が頭で先制。膠着状態を打ち破ると、43分には和田の正確なFKをDF都並優太(4年=東京Vユース)がゴール前に頭で落とし、最後は頭で飛び込んだ久保が追加点。先制を許すことが多い関大だが、2点リードを奪って前半を終える。

 後半に入っても、集中力を切らさなかった関大。後半開始からたたみかけてきた大体大の攻撃にも冷静に対応する。大体大はMF山田貴文(3年=日章学園高)が2トップを狙って右サイドからセンタリングを入れるも、ゴール前で抑えシュートまで打たせない。中盤でも速い寄せでチャンスを潰した。その守備が攻撃に結実したのは後半30分。和田が中盤でパスをカットすると、走り込んだMF都竹俊優(2年=名古屋U18)にすかさずスルーパス。パスに抜け出した都竹がきっちりと決め、試合を決定づける3点目を奪った。38分に大体大MF坂口豪(3年=C大阪U-18)のミドルシュートで1点を返されるも、失点はその1点のみ。90分間、攻守ともに集中力を切らさず、好プレーを続けた関大が昨年度に続いて関西の頂点に輝いた。

 関大が快勝した要因の1つにあげられるのが初先発のMF石井光輝(1年=常葉学園橘高)の存在だ。石井をアンカーに起用したことにより、ボランチを務めるMF和田篤紀(3年=神戸U-18)が前めでのプレーが可能になった。それにより決定機に絡む機会が増え、3アシストに繋がった。島岡監督は石井を「毎日の中で何か得ようとしているし、学びたいという姿勢があり、すごく謙虚。伸びしろを感じる選手」と絶賛。準決勝からメンバー、配置を大きく入れ替えた中でも結果を残した。

 一方の大体大は4年連続での準優勝に終わった。坂本康博監督は「点を取るところで取ってないからリズムに乗り切れなかった」と試合を振り返り、「関大の中盤の守備が良かった」と悔やんだ。

 8日からはリーグ戦が再開される。関大は現在4位。島岡監督は「自分たちの立ち位置を謙虚に見られるかどうか。忘れてはいけないことを忘れないようにしたい。既に気持ちは切り替わっている」と気を引き締めていた。リーグ戦できちんと結果を残し、関西王者として総理大臣杯に臨む。

(取材・文 北野裕子)

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