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[総理大臣杯]「ウチは後半強い」元日本代表主将の前田秀樹監督率いる東京国際大、逆転で初陣白星!

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[8.8 総理大臣杯1回戦 東京国際大3-2常葉大浜松キャンパス J-GREEN堺]

 第37回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントが8日、開幕した。J-GREEN堺で行われた1回戦では、元日本代表主将、元水戸ホーリーホック監督の前田秀樹氏が指揮を執る初出場の東京国際大(関東6)と元日本代表MFの澤登正朗監督率いる常葉大浜松キャンパス(東海2)が激突。東京国際大が3-2で勝利し、嬉しい全国初勝利を飾った。

 6年前に前田監督が就任して以来、強化を続ける埼玉の新鋭校が歴史の新たな1ページを開いた。試合開始からMF若井祥吾(3年=浦和ユース)、上船利徳(3年=神村学園高)のダブルボランチを起点にサイドのオープンスペースを攻略した東京国際大がチャンスを量産。前半16分には上船が蹴った右CKをゴール前のFW福島遼(3年=神村学園高)が頭で合わせて、先制点を奪った。

 幸先の良いスタートを切った東京国際大だったが、常葉大浜松キャンパスの逆襲を食らう。32分にDF濱一誠(1年=藤枝明誠高)のパスを受けたMF小野寺建人(4年=常葉学園橘高)にゴールを決められて同点に追いつかれると、35分にはPAでボールを受けた小野寺を倒し、PKを献上。MF前田陽平(3年=清水ユース、前・湘南ベルマーレ)に決められ、一気にビハインドを背負って前半を終えた。

 ただし、苦しい状況の中でも、東京国際大に焦りの色は無し。「選手たちはリードされていても自分たちのプレーをしっかりやり続ければ点は入るだろうと思っていたと思う。一生懸命守備して、ボールを取ったら一生懸命攻撃をする。これをきっちりやってくれる」という前田監督の言葉通り、後半に入ってからは狙っていた守備での数的優位をきっちりと形成。奪ってからは後ろからしっかりとパスを繋ぎ、サイドを攻略。試合の主導権を自分たちの元へと戻していく。

 そして、後半21分、サイド攻撃から奪った左CK。上船のキックを「本来はCBの子。ボールを相手に取られた時に素早く奪いにいけるようにFWで起用している」(前田監督)というFW加藤龍治(3年=成立学園高)が頭で合わせて、同点に追いつくと、後半37分にはゴール前でのボール奪取から素早く相手陣内へと展開。ハーフウェーライン中央付近で受けた上船が素早く左サイドのスペースへとスルーパスを入れて、駆け上がった途中出場のFW赤崎俊太(2年=鹿児島城西高)が中へと折り返す。このボールに反応したのは懸命に駆け上がったDF鹿糠智正(4年=柏日体高)。落ち着いて右隅に流し込んで逆転に成功し、2回戦進出を決めた。

「ウチはこれまで誰もとれなかった。高校時代はレギュラーじゃなかった子ばかり」と前田監督が話すチームではあるが、6年前に同氏が就任して以来、チームは着実に成長を続け、埼玉県2部リーグから今年、関東2部リーグにまで昇格。関東2部では昇格1年目ながら現在、負けなしで首位を走る。前田監督が「リーグもそうだけど、ウチは後半から力が出てくる。全国初出場で自分たちにどこまでの力があるのか?というのが今日は試せたと思う。ウチは一人ずつ真面目で、誰もがサボらないで一生懸命やる。そういう基本的な所を皆がしっかりやってくれているから、今、勝てているのかなと思う」と分析したように、彼らの強みは十分に発揮されている。11日(日)に行われる2回戦では3年前に冬の全日本大学サッカー選手権を制した強豪・関西大(関西1)と当たるが、この日見せた東京国際大の姿は“もう一勝”以上の可能性を感じさせるものがあった。

[写真]ゴール前で競り合う両チーム。青の東京国際大が初陣を白星で飾った

(取材・文 森田将義)
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