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[MOM305]関西学院大MF小幡元輝(4年)_高精度の左足と守備への献身性持つ背番号10

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.13 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準々決勝 青山学院大 2-6 関西学院大 J-GREEN堺]

 全日本大学選抜に名を連ねる呉屋大翔、小林成豪、徳永裕大に注目が集まる中、この試合で彼らに負けぬ輝きを放ったのがMF小幡元輝(4年=名古屋U18)だ。

 前半ではアシストで見せた。2点目の場面は左サイドの低い位置でボールを受けてアーリークロス。ふわりとした弾道を描いてゴール前へ飛んだボールは小林のヘッドによるゴールにつながった。「あれは、あいつ(小林)の身体能力がすごかった」(小幡)とチームメイトを褒め称えたが、続く3点目の場面ではPAに近い位置でボールを受けると、今度は自らドリブルで縦に仕掛けてサイド深くをえぐって、マイナスの折り返しから呉屋のゴールをお膳立て。「あそこ(ゴール前)は絶対に呉屋が入ってくれている。それは感覚的にわかっている」という信頼関係から生まれたゴールだった。小幡自身のプレーもトラップの正確さ、さらに相手DFとの駆け引きや重心を判断した上で縦へ仕掛ける判断が光った。後半には徳永のパスをゴール前で受けて、シュートが一度は相手DFにブロックされるが、すぐにこぼれ球に反応すると再び左足を振りぬいてゴールネットを揺らしている。

 成山一郎監督は「呉屋が点を取るが、小幡からのアシストが多い。今日はお互いに相乗効果で(呉屋が出場停止だった)2回戦より力が引き出された」とこの日の活躍を振り返った。呉屋が「去年のリーグ戦で得点王を取ったけど、小幡くんから僕へのアシストが一番多かった。2年間、一緒にやってきてコンビネーションはチームの武器になっている」と話せば、小幡も「呉屋はいつも裏を狙ってくれるので、俺みたいな選手も活きる。ピンポイントでパスを出せば決めてくれる」と互いに信頼を寄せている。また、試合の中ではトップ下の小林と頻繁にポジションチェンジを繰り返しながら、攻守両面に顔を出す。10番からイメージされる攻撃面の良さに加えて、守備も精力的にこなすからこそ「戦える選手。チームからの信頼も厚い」(呉屋)という存在なのだ。

 準決勝では前回王者の流通経済大に挑む。「去年はベスト8の壁がすごく高かった。今年、自分たちの力をある程度は出せて、それを越えることができたのは関学の力が付いてきたのかなと思う」と成長を実感した上で「目標は優勝。あくまで通過点、と言えるぐらいのゲームにしたい」と意気込む。高精度の左足と守備への献身性を持つ背番号10が見据えるのは、頂点のみだ。

(取材・文 雨堤俊祐)
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