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[MOM454]仙台大FW宮澤弘(4年)_全国大会初ハット!!柏育ちのFWが猛アピール

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ハットトリックの活躍を見せた宮澤

[9.1 第41回総理大臣杯1回戦 仙台大6-1金沢星稜大 長居]

 プロ入りを希望しながらも、現時点でのオファーはゼロ。「本当にヤバいっす。この大会は就活です」と苦笑いする仙台大のFW宮澤弘(4年=柏U-18)が全国大会初のハットトリックを達成し、スカウト陣に好アピールを果たした。

 大学に入るまでは生粋のストライカー。CFやサイドハーフなどゴール前での役割を求められることが多かったが、今年に入ってからは、キック精度の高さを買われ、左ウイングバックを任される機会が続いていた。「点を獲りたいという欲が強いのかウイングバックを楽しめていなかった」と振り返るが、それでも、東北リーグでは意地を見せ、リーグ3位の5得点をマーク。8月に入り、FWに戻ってからは「点を獲りたい欲」を発散するかのようなパフォーマンスを続けてきた。

 万全の準備が実ったのか、この日は前半4分に2列目からのパスで相手DFの背後をとると、GKとの1対1を冷静に決めて、先制点をマーク。33分には自らが蹴ったFKのこぼれを高い位置で回収すると、すぐさまゴール前に浮き球を配球し、DF川口大翔(4年=青森山田高)のゴールをお膳立てした。41分には、相手DFからGKへ繋いだパスをスライディングで掻っ攫い、自身2点目を獲得。

 パートナーを組むFW鳴海彰人(1年=青森山田高)との相性も良く、「彰人ががっしり構えて、自分はその周りをちょこちょこする。相手DFの背後を抜けたり、中盤とDFの間の嫌な所で受けようと意識していた」ことがハマり、後半9分には鳴海のパスから自身3点目を奪った。以降も勢いは衰えず、18分には、FKからDF本吉佑多(2年=仙台ユース)のアシストを記録。後半20分に交代でピッチを去るまで、ピッチ上で存在感を見せ続けた。

 今大会は、自身の就活という意味だけでなく、チームとして結果を残したいという思いが強い。柏U-18に所属した高校時代は、全国大会で上位まで進むのが当たり前だったが、大学に来てからはいつも1、2回戦で涙を飲んできた。

「高校の時に国体とクラブユース選手権で日本一を経験しているので、もう一度日本一の景色が見たい。チームが勝つための役割というのがあって、自分に与えられた役割は点を獲ること。一つでも多く多くゴールを奪って、勝利に貢献したい」

 柏U-18時代のチームメイトの活躍も刺激になっており、「進之介(中谷進之介)の活躍は刺激になっているし、MF手塚康平に負けられないという気持ちは強い。特に手塚は、これまで出場機会がまったく無かったのに、ちょっとしたチャンスを掴み取った。ちょくちょく連絡をとって、刺激を貰っている。1つ上の航輔くん(中村航輔)もA代表に入ったり、小学校から一緒にやってきた選手が活躍すると、自分も同じ場所まで行けるんじゃないかって思えるし、負けたくないって気持ちが強くなる」。

 彼らと同じ舞台にたどり着くためにも、更なるアピールは欠かせない。大暴れを1試合で終わらせず、残り4試合でもチームを勝利に導く活躍を続けるつもりだ。

(取材・文 森田将義)
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