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「評価されるのは優勝しかない」、法政大が筑波大撃破!35年ぶり夏の日本一へあと1勝

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法政大が優勝候補・筑波大を破り、3年ぶりの決勝進出!

[9.8 第41回総理大臣杯全日本大学トーナメント準決勝 筑波大0-1法政大 長居]

 第41回総理大臣杯全日本大学トーナメントは8日に準決勝を行い、筑波大(関東2)と法政大(関東4)が対戦。前半39分に奪ったDF武藤友樹(4年=八千代高)のゴールを守り切った法政大が1-0で勝利した。

 互いによく知る相手とあり、立ち上がりは拮抗した展開が続いた。時間の経過と共にMF戸嶋祥郎(4年=市立浦和高)を中心としたパスワークで筑波大が試合の主導権を握ると、前半16分には戸嶋のパスから左サイドのMF西澤健太(3年=清水ユース)へと展開。西澤が中央へと折り返したボールをFW北川柊斗(4年=名古屋U18・山形内定)が合わせたが、法政大DFにブロックされた。27分には北川のキープから戸嶋、MF鈴木徳真(3年=前橋育英高)と繋いで、右からクロスを入れたがゴール前の選手と合わなかった。

 法政大も攻撃のギアを上げ、29分には右サイドを破ったMF紺野和也(2年=武南高)のパスからFW上田綺世(1年=鹿島学園高)からゴールを狙った。このシュートは惜しくもDFに阻まれたが、このプレーで得たCKから上田がポスト直撃のシュートを放つなど、相手ゴールを脅かすプレーが増え始めた。すると、39分には紺野が上げた右クロスから、ゴール前の上田が右足ボレー。GKが弾いたボールを武藤が押し込み、法政大が先制した。

 1点を獲ってからも、法政大は「早いうちに点を獲ると、意識が守りに入ってしまう。向こうは上手いので、守りにはいると簡単にやられてしまうので、もう一点獲ろうと意識した」(長山一也監督)と攻撃の意欲を失わない。

 主将のGK関口亮助(4年=浦和ユース)も「早い時間帯に一点を獲ると守りに入ってしまう試合が多かった。相手は上手いので守りに入ると簡単にやられてしまうと思っていたので、攻めようと考えていた」と続けたように、後半からもチャンスを作り、後半6分には紺野の右クロスからMF森俊貴(2年=栃木ユース)がシュートを狙った。

 後半21分からは、筑波大も反撃モードに入り、MF三笘薫(2年=川崎FU-18)とFW中野誠也(4年=磐田U-18・磐田内定)のユニバ組を投入。法政大が警戒していた通り、中野の裏への飛び出しや、三笘の個人技に苦しむ場面が増えたが、「自分たちの持ち味は粘り守備を意識。上手い選手はいないので、全体として粘り強く守ることを意識している」(関口亮)ことが実り、リードを維持。

 後半29分に中野に与えた決定機も関口亮が好セーブで阻止した。37分にはDF黒崎隼人(3年=栃木ユース)が2枚目の警告をもらい退場したが、「10人になっても負ける気はしなかった」(関口亮)とベンチ、スタンドがより一体感を増した結果、1-0でのタイムアップを迎えた。

 長山監督が就任以来、復活の兆しを見せる法政大は、3年前は準優勝、2年前はベスト8入りを果たすなど、総理大臣杯での上位進出を果たしてきた。「評価されるのは優勝しかない」と長山監督が話す今年は、タフな連戦を乗り切るため、選手層のアップに着手し、「2チーム分くらい作れる選手がいる」(長山監督)。戦力アップは純粋なチーム力に繋がっているだけでなく、部員全体が“勝つんだ”という気持ちを共有することにも繋がっており、チームの雰囲気も悪くない。

「自分が一年生の時に準優勝しているので、その記録を塗り替えないと評価されないと皆分かっている」と関口亮が口にするように、取り組みの成果を多くの人に認めてもらうために、頂点に立つことしか考えていない。

(取材・文 森田将義)
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