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[MOM632]関西大FW宮脇和輝(2年)_ジャブを活かした延長戦2発

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FW宮脇和輝(27)が延長戦で2ゴールを決める活躍をみせた

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.3 総理大臣杯準々決勝 関西大3-1(延長)福岡大 ヤンマースタジアム長居]

 1試合2ゴールは公式戦では大学入学後初、ガンバ大阪ユース時代も記録した記憶はないという。途中出場のFW宮脇和輝(2年=G大阪ユース)が延長戦で2ゴールを決めて、関西大(関西2)を10年ぶりの4強へと導いた。

 1点目は延長に入った直後に右SBの坂口貴哉(3年=興國高)から出された浮き球に反応。「僕の手前の人に出したと思う」と振り返る場面だが、「流れてくる」と信じて走り込んだという。慌てた福大の守備陣を尻目に、宮脇はスライディングでゴールに流し込み、勝ち越し点を決める。

 さらに延長後半3分、これも右サイドを崩して作ったチャンスだったが、今度はゴール前でじっと待ってこぼれてくるボールに反応。FW高取誠隆(2年=野洲高)からの「上手く流し込むだけだった」というボールにしっかりと対応し、勝利を決定づける得点を奪った。

 ジャブが効いていた。今季は故障者の影響でFWを固定出来ていない関大だが、そのことで複数選手が台頭。この日も大会前にBチームから上がってきたばかりのFW福原涼太(3年=静岡学園高)が先発。両軍最多となる実に8本のシュートを放つと、貴重な同点弾を決める活躍をみせていた。

 前田雅文監督も福原には「相手が消耗するような動き」をするように期待をかけていたという。「それがじわりじわりと効いて、最後のシュートシーンが作れたかな」と分析。福原と交代でピッチに入っていた宮脇も「スタメンの選手のおかげで、僕のゴールが生まれたと思う」と笑顔で感謝を語った。

 大学入学後は途中出場が多く、今は短時間でどうやって結果を残すことが出来るかを考えながら練習から取り組んでいると話す宮脇だが、やはり先発で出て活躍したいという希望を持っている。そのためにはスタミナ面はもちろん、もう一段階、二段階のレベルアップが必要となる。

 目標はG大阪の選手でもあった前田監督。2011年に現役を引退した前田監督の現役時代は「知りません。1万ゴールの印象があるくらい」と正直に明かすが、練習では常にアドバイスを貰うように意識している。全体練習後の個人練習ではFW陣に付きっ切りで動き方などを教授してくれるという。 

 感謝を示すためにも、監督に大学タイトルをプレゼントしたい。中1日の連戦に「疲れはちょっとあります」と正直な感想も口にした宮脇だが、「勝てる準備をしていきたい」と気合を入れ直していた。

(取材・文 児玉幸洋)
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