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大体大指揮官も嘆いてしまう強さ…法政大が2年ぶり夏の頂上決戦へ「大学サッカーの素晴らしさを」

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法政大が2年ぶりの決勝へ

[9.5 総理大臣杯準決勝 大阪体育大0-1法政大 ヤンマーフィールド長居]

 総理大臣杯の準決勝が6日に行われ、法政大(関東5)が大阪体育大(関西4)を1-0で下した。7日にヤンマースタジアム長居で行う決勝では、明治大(関東1)と対戦する。キックオフは18時。

 敵将の松尾元太監督も、思わず「悔しいですけど、2倍、3倍質が違う。初めてじゃないかな。シュート一本しか打てなかったのは」とため息交じりに話した。中1日で迎えた準決勝とはいえ、2日前の準々決勝から先発7人を入れ替えても全く力の差を感じさせなかった法大が、2年ぶりの決勝へと勝ち上がった。

 雷雨の影響でキックオフが1時間半ずれ込んだ試合だったが、法大の選手たちは慌てることなくゲームに入り、常にボールを保持しながらゲームを進めた。前半こそキープレーヤーのMF紺野和也(4年=武南高/FC東京内定)がファウル覚悟のプレーで止められるなど、大体大の粘り強い守備に苦しめられるが、それでもセットプレーから再三にわたり惜しいチャンスを作るなど、ボディーブローを打つようにして相手にダメージを与えていく。

 すると勝負の後半、18分にMF橋本陸(4年=西武台高)に代えてMF森俊貴(4年=栃木ユース)を投入し、ギアをもう一段階上げると、同25分。右サイドから紺野がサイドチェンジしたボールがその森まで届く。森はエリア内で縦に仕掛けて左足を振り抜き力強いシュートを打つと、GKのニアを抜けたボールはクロスバーを叩いてそのままゴールネットに吸い込まれていった。

 さらに法大はFW松澤彰(4年=浦和ユース)、MF大西遼太郎(4年=磐田U-18)といったベンチスタートさせていた主力を次々と投入。”完全体”になってゲームを終わらせに行く。追加点こそ奪えなかったが、終盤も大体大にシュートすら打たせない完璧なゲーム運びをみせる。松尾監督が「相手には交代選手で試合を決定づける選手がいたが、うちはサプライズにかけるくらいしかできなかった」と嘆くしかない力の差を見せつけての勝利となった。

 決勝の相手は2年前と同じ明大に決まった。今季の明大は関東大学リーグ1部で前期新記録となる勝ち点30を記録して独走状態。法大もリーグ戦では勝ち点13差を付けられているが、天皇杯で東京V、G大阪とJクラブを連破したことで話題を集める今季の大学リーグを象徴する両雄が夏の日本一を決める舞台で激突することになった。

 長山一也監督も「いろいろ駆け引きも出てくると思うが、面白くなると思う。大学サッカーの素晴らしさを見せられるような決勝戦にしたい」とニヤリ。今大会、法大は主将DF加藤威吹樹(4年=広島ユース)の欠場を余儀なくされているが、CBの相方であるDF森岡陸(3年=磐田U-18)は「僕がリーダーにならないといけないという思いでやっている」と話すと、「無失点に抑えて優勝したい」と力強く話していた。

(取材・文 児玉幸洋)
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