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今年も八幡山から援軍がやってくる!明治大が前人未到の総理大臣杯5年連続決勝進出

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明治大が5年連続となる決勝に勝ち上がった

[9.5 総理大臣杯準決勝 明治大2-1関西大 ヤンマーフィールド長居]

 総理大臣杯の準決勝が6日に行われ、明治大(関東1)が関西大(関西2)に2-1で勝利し、史上初の5年連続となる決勝へと勝ち上がった。決勝では法政大(関東5)と対戦する。

 明大は前半からエンジン全開で戦った。前半18分、左サイドからチャンスを作ると、MF瀬古樹(4年=三菱養和SCユース/横浜FC内定)のスルーパスでMF森下龍矢(4年=磐田U-18/鳥栖内定)が鋭くゴール前に侵入。マイナスに折り返すと、FW佐藤亮(4年=FC東京U-18)が押し込んで、先制に成功する。

 直後の後半21分には左サイドで仕掛けた佐藤亮がDFを外して中に折り返すと、ボールをスルスルとゴール前に抜ける。そしてゴール前にいたMF中村帆高(4年=日大藤沢高/FC東京内定)が左足で豪快に蹴り込み、あっという間にリードを2点に広げた。中村帆は準々決勝から2試合連続ゴールとなった。

 ただし選手らも試合後、「飛ばし過ぎてスタミナが切れてしまった」と反省したように、後半は大応援団の声援の後押しを受ける関大に攻め込まれる時間帯を作られてしまう。そして同19分にはCKから失点。GK加藤大智(4年=名古屋U18)は判断ミスを反省していたが、1点差に詰め寄られてしまう。

 しかしここで崩れない強さが今年の明治にはある。後半30分に2トップ2枚を代えるなど、前線がフレッシュになったことで反撃に出ると、突き放す得点は奪えなかったが、惜しいシュートチャンスも作る。栗田大輔監督は「しっかり決めていればもっと楽な展開でしたけど」と反省を求めることも忘れなかったが、チームはしっかりと2-1でリードを守り抜いた。
 
 決勝の相手である法大には、2年前の決勝で敗れている。また今季の明大は「Jクラブを倒す」という目標を掲げてシーズンに入っていたが、5年ぶりに天皇杯に出場したものの、2回戦でJ王者の川崎フロンターレに0-1で惜敗。一方の法大は東京ヴェルディ、ガンバ大阪を連破する快進撃をみせている相手とあって、意識しないわけにはいかないチームになっている。

 指揮官も「連覇とかどうこうより法政に勝ちたい」と吐露。「法政大が天皇杯を勝っていますが、関東リーグはうちが勝ち点30でぶっちぎっていますし、直接対決も2-0で勝っている。叩き潰すだけです」と言葉に力を込める。

 明大には「八幡山組を決勝に呼ぶ」という合言葉がある。大阪で行われる総理大臣杯には遠征メンバー26人で参戦しているが、残りの部員は東京の拠点である八幡山グラウンドで練習を続けている。ただ決勝に進出すると、その“八幡山組”を会場に招待することになっているのだ。

 八幡山組は決勝当日朝にバスで東京を出発し、夕方に大阪に到着。決勝を観戦後、そのままの足で東京に戻るというハードスケジュールをこなすことになっているが、それも5年連続となれば、恒例行事だ。栗田監督が「いい相乗に繋がっている」と話せば、森下も「今の1年生に日本一の景色をみせてあげたい。4年間、一緒に頑張った同期の選手のためにも、ドカンと花火を打ち上げたいですね」と気合を入れ直していた。 

(取材・文 児玉幸洋)
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