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前半に鮮やか2発!後半の失速は修正点も初出場・山梨学院大が関西の雄撃破

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[8.23 総理大臣杯1回戦 山梨学院大2-1びわこ成蹊スポーツ大]

 第45回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントが23日に開幕し、1回戦4試合を実施。山梨学院大(関東4)とびわこ成蹊スポーツ大(関西4)の一戦は、DFフォファナ・マリック(3年=尚志高)とFW平河悠(3年=佐賀東高)のゴールによって、山梨学院大が2-1で勝利した。

 東京都1部リーグ所属ながらも、総理大臣杯出場をかけたアミノバイタルカップで桐蔭横浜大ら関東大学リーグに所属するチームを次々に撃破した実力は伊達ではない。初の全国大会となったこの日の試合でもチーム力と選手の能力の高さを感じさせるゲームを披露し、関西の雄を撃破した。

 序盤から山梨学院は、「びわこ成蹊さんは凄く上手いチームなので、全員で守備から入って頑張って戦おうと話をしていた。構えるのはではなく、相手に自由に持たせないよう意識していた」(フォファナ・マリック)と高い位置からの守備を徹底し、びわこに自由を与えない。

 さらにボールを奪ったら、技巧派のMF若谷拓海(3年=西武台高)によるパスや、DF吉田泰授(3年=尚志高)の左足フィードからスペースへと展開。MF結城将貴(3年=鹿島ユース)とMF山土井拓海(3年=山梨学院高)の両ウイングバックが縦へのチャレンジを繰り返し、ゴールに迫った。前半16分には、若谷の右CKをフォファナが頭で合わせて先制に成功。同19分には若谷のスルーパスから、PA右へと飛び出した平河が前に出たGKの隅を射抜き、一気に2点差とした。

 対するびわこは長期間の活動がままならず、総理大臣杯に向けた準備を始めたのは大会の3日前から。コンディションは万全とは言えず、ゲームキャプテンを務めたDF森昂大(4年=創造学園高)は「勢いよく攻めてきた相手の勢いに飲まれた。自分たちの動きも硬かった」と口にする。前半は決定機が作れずに終わったが、後半に入ってからはMF工藤真人(2年=仙台ユース)を中心とした細かいパスワークやMF泉柊椰(3年=神戸U-18)の鋭い突破で見せ場を作った。

 岩渕監督が「前半の途中からマイボールを失いすぎて、体力を消耗した。マイボールになったら必ず決定的なパスを出したり、シュートを打とうとしていた。ダメな時はボールを保持して相手を下げさせたり、もっと戦術的な判断が必要だった」と振り返った山梨学院大の事情も相まって、びわこが何度もチャンスを演出。後半8分には、左を上がったDF川崎章弘(3年=久御山高)のパスがPAに入ると、FW清水一雅(2年=仙台ユース)の落としから、工藤がダイレクトシュートを決めた。

 以降も積極的に山梨学院のゴールに迫ったが、「僕の役目はチームをまとめたり、身体を張ったプレーをすること」と口にするフォファナを中心としたDF陣が最後の所で身体を張ってシュートを打たせない。試合は結局そのままタイムアップを迎え、山梨学院が2-1で勝利した。

 嬉しい全国初勝利を飾った山梨学院だが、後半の失速は修正点。岩渕監督は「試合が終わってから選手には言ったのですが、おめでとうという気持ちが50%、良くないゲームをした寂しさが50%」と苦笑いを浮かべる。課題が明らかになったのは、下級生が主力の大半を占めるチームにとって良い薬になるのは、間違いない。「自分たちは総理大臣杯に出ているチームの中でも、一番下の方だと思う。まずは気持ちで相手より勝りたい。そういうスタイルが山学だと思うで、次の試合でも見せたい」。そう意気込むフォファナを中心に、2回戦以降の快進撃へと繋げるつもりだ。

●第45回総理大臣杯特集

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