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[MOM736]関西福祉大FW奥村仁(2年)_創部7年目の初出場校をけん引する“C大阪ホットライン”

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関西福祉大で10番を背負うFWFW{{奥村仁

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.23 総理大臣杯1回戦 関西福祉大4-0札幌大]

 創部7年目で掴んだ初の総理大臣杯出場。中田洋平監督が「初出場なので、自信と落ち着きを与えるのを意識し、良いメンタリティで試合に入れた」と振り返ったように、関西福祉大は全国大会の常連校・札幌大を相手に全員が伸び伸びとプレーした。

 中でもひときわ輝くプレーを見せたのが、FW奥村仁(2年=C大阪U-18)だ。小柄なアタッカーはアグレッシブにドリブルで仕掛け、幾度も決定機を演出。前半34分には、左サイドから相手をかわして切り込み、シュート。GKが弾いたこぼれ球を、MF長井元輝(3年=大阪産業大学附属高)がヘディングで押し込んで追加点とする。

 後半は、点を奪いに来る札幌大の出鼻をくじくような勢いある攻撃で畳み掛ける。47分にはDF中島大雅(4年=G大阪ユース)の折り返しをダイレクトでゴールに叩き込むと、51分には自らが獲得したPKを落ち着いて決め、3得点に絡む活躍で全国大会初戦突破に大きく貢献した。

「自分の持ち味である点に絡むってところは出せたと思う」と試合の手応えを口にする奥村だが、総理大臣杯の予選である関西選手権では、2回戦大阪大戦で退場処分を受けてしまい、全国への出場権がかかる準々決勝の京都産業大戦には出場できなかった。

「チームに迷惑かけてしまった。みんなのおかげで全国大会に来れたので、いまベンチ外にいる選手とかみんなのために、出れてる人が100%やって勝てたらと思います」。チームのためにプレーすることを強く意識している。

 C大阪U-18でも背番号10を背負ったテクニシャンだが、「自分は身体が小さいので、フィジカルサッカーは得意じゃない。関西福祉はパスサッカーで面白いなと思った」と大学は名の知れた強豪校ではなく関福大への進学を決めた。先輩である谷本駿介(3年=C大阪U-18)が関福大で活躍しているのも大きかった。ユース時代は、ポジション的に谷本とプレー面で絡む場面は少なかったが、大学ではボランチに主戦場を移した谷本からの好パスを奥村がフィニッシュへ持ち込む展開も多く、「谷本くんからは、いつでも思ったところにボールが来る、自分が走ったら、そこにボールが来る」と信頼する先輩とのホットラインがチームの強みの一つとなっている。

 中田監督も「相手の中盤と最終ラインの間で受けるのが上手く、タイミングよく裏へ抜け出すプレーも見せることができる」と2年生にして背番号10を託す奥村への信頼は厚い。「点に関われて、チームの勝利に導くことができているので、10番の役割は果たせてる」と奥村が自信を持って話すとおり、リーグ戦では7試合で7得点と、得点ランキングのトップに立っている。「守備意識を高めるのと、プレーをエリアに寄って使い分けられるようになれば、もっとゴール前でエネルギー使えて、怖い選手になれる」と、中田監督はさらなる成長にも期待を寄せる。

 2回戦で挑む相手は、関東王者の産業能率大となる。「僕らはチャレンジャー。強い相手を倒すためにいい準備をして、勝ちたい」と力を込めて話す奥村の目標はもちろんプロ選手だ。ゴールにこだわる己の持ち味を存分に出して、チームと自らの名を全国に轟かす。

(取材・文 蟹江恭代)

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