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「過去を超えるをモチベーションに」日本文理大が初戦突破、流経大との2回戦へ

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日本文理大が競り勝った

[8.24 総理大臣杯1回戦 静岡産業大1-2日本文理大]

 第45回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントは24日に1回戦2日目を実施。静岡産業大(東海2)と日本文理大(九州3)の一戦は、前後半に1点ずつ奪った日本文理大が2-1で勝利した。

 自陣からのビルドアップによって立ち上がりから主導権を握ったものの、「ゴールに向かっていくポゼッションができなかった」(加藤知弘監督)静岡産業大で気を吐いたのは、左サイドのMF東山達稀(4年=静岡学園高)。「相手のフォーメーションが3バックだったので、サイドが空いて自分の特徴であるドリブルや突破が出せた」と振り返る通り、力強い突破を繰り返し、見せ場を作った。

 前半21分には、東山がハーフウェーライン左からドリブルで前進し、中央にパス。FW早川諒祐(4年=磐田U-18)がダイレクトで落とすと、走り込んだFW服部功汰(3年=多摩大目黒高)が隅に流し込んだが、ポストに嫌われた。続く23分には、自陣右からのフィードを受けた東山が中へと仕掛けてゴール右を狙ったが、GK清水羅偉(4年=大分U-18)のファインセーブに阻まれた。

 対する日本文理大は、相手の背後をMF岡野凜平(3年=長崎U-18)とFW小野大斗(1年=日章学園高)の2シャドーが狙う形を目指したが、序盤のチャンスは13分の場面のみ。DF竹内悠力(2年=神戸弘陵高)の縦フィードから、FW高昇辰(3年=京都朝鮮高)がシュートを放ったが、DFがブロック。セカンドボールを詰めたMF田中優佑(1年=讃岐U-18)のシュートも枠を捉えることができない。

 狙いとする前からの守備も上手くいかなかったが、「サイドにボールを持っていかれる分は大丈夫と言っていた。最後はゴール前を固めようと言い続けてきた」(西野晃平監督)が功を奏し、無失点でゲームを進めると、37分には左サイド低い位置からMF立岩玄輝(3年=神戸弘陵高)がゴール前にクロス。右サイドから走り込んだMF後藤文太(4年=中津東高)が合わせて、均衡を崩した。

 後半5分にDF武藤圭亮(4年=開志学園JSC)のロングフィードから、服部がシュートを放つなど静岡産業大のペースで試合が進んでいく中、前半同様日本文理大は一瞬の隙を逃さない。17分に左サイドを仕掛けた立岩が倒され、FKを獲得。岡野がゴール前に入れたボールを「あそこに来るだろうなと信じて、入っていった。ボールも良かったので合わせるだけでした」と振り返る高が右足で合わせて、2点差とした。試合終盤は相手の猛攻を受け、45分にはCKに飛び込んだ武藤に1点を返されたが、逃げ切った日本文理大が2回戦進出を決めた。

 日本文理大は前日に、東京国際大と練習試合を実施。スピード面で圧倒されたことで、守備意識が強まり、球際の強さやゴール前での粘りに繋がった。その結果が1月の#atarimaeni CUPで果たせなかった初戦突破というノルマを達成できたが、西野監督は「もっと自分たちが持っている時間と狙いとする崩しを増やしたかった」と振り返る。


 この日見せた守備の硬さに攻撃力が加われば、この先も十分に勝ち上がっていける可能性は十分にある。「これまで総理大臣杯では1回戦を突破したことがあるので、意気込みとしては過去を超えるという所をモチベーションにしてきた。流経さんは今年の関東でもナンバーワンだと思っているので、そういう選手たちと出来るのは楽しみ。やることをやれば、それなりに戦えると思うので良い準備をしたい」と口にするのは西野監督。高も「難しい試合になるとは思うけど、守りに入らず前からバチバチ戦いたい。また自分が決めて勝ちたい」と意気込んだ。

(取材・文 森田将義)

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