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[MOM738]中京大FW秀島悠太(2年)_パワフルな元気者

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.24 第45回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント1回戦 東日本国際大0-10中京大 会場非公表]

 終わってみれば中京大の大差勝ちとなったが、トーナメントの初戦はどのチームにとっても難しさがある。だが、そんな懸念を吹き飛ばすように前線で暴れたのが、FW秀島悠太(2年=鳥栖U-18)だ。

 まずはうまくスペースに顔を出し、DF有働夢叶(1年=興國高)、MF名執龍(4年=東海大相模高)のゴールをお膳立て。さらにボールを持って強引に前進すると、相手のプレスもお構いなしにシュートを放ち、ゴール。チームのムードを一層盛り上げ、東日本国際大に修正の隙を与えない強度の高いプレーで、前半で試合の大勢を決定づけた。

「どこのチームでもオールラウンダーな選手が多いが、ストライカーっていうプレイヤーはなかなか少ない」と、永冨裕也監督は秀島を評する。その永冨監督から、高2の冬にから声をかけられて、中京大へと進路を決めた。鳥栖U-18からは、九州や関西へ進学する選手が多いが、「自分を『欲しい』って言ってもらったところに行きたいと思った」からだ。

 パワフルで勢いがあるプレーで走る元気者。永冨監督も「攻撃の選手は、キャラクターというか、そういうパーソナルな部分も非常に重要。こういうゲームで元気づけてくれる得点や、声掛けでチームに勇気を与えてくれる選手」と長所を挙げる。秀島本人は「そこが持ち味だけど、プラスアルファして人を使うのもできるようにっていうのが大学での目標。4年間で、高校のときからどんだけプラスをつけていけるかが、プロを目指していく選手として、大事だと思う」と、目線を高く持つ。

 ユースの同期である松岡大起(清水)や、本田風智(鳥栖)のJリーグでの活躍も刺激になっている。「明らかに自分よりも上のステージに進んでる仲間を見て、自分は何やってんだろって思うも部分ある。でも、そこに追いついて、将来的には追い越せる選手になっていくための4年間にしたい」と自らの選択に迷いはない。

 コロナ禍で遠征して関東や関西のチームと練習試合を行う機会が減る中、全国大会は己の力を図るまたとない場でもある。昨冬の#atarimaeni cupでは、メンバー入りはしたものの、出場機会をつかめなかっただけに、今大会への意欲は高い。「東海リーグの中では、自分の力の手応えを感じる部分はあるんですけど、全国でどんだけ自分の力が出せるか、まだわかってないから、そこは今大会の楽しみな部分です」と意気込む。

 東日本国際大戦では、チャンスに決めきれない場面も幾度かあった。「いいボールもらって、それを決められなかったのは、自分の技量不足」とFWの選手として得点へのこだわりも見せる。永富監督は「前線での激しいチェイシングも、それを90分やれる体力はある。あとは集中力。そこがあればもっと面白い選手になっていく」と期待も寄せる。「自分がチームを勝たせられる存在になっていけたら」という秀島の言葉どおりに、次の桃山学院大戦で、目標へと近づくプレーを見せたい。

(取材・文 蟹江恭代)

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