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[MOM745]法政大FW佐藤大樹(4年)_主将離脱で奮い立つ、「軌道完璧」優勝決定FK弾

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後半アディショナルタイム3分にFK弾が突き刺さった

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.5 総理大臣杯決勝 東洋大1-2法政大 味フィ西]

 決められるのは自分しかいない。選手全員の想いを左足に集中させた。法政大は後半アデショナルタイム3分、ゴール前右で獲得したFKをFW佐藤大樹(4年=札幌U-18)が狙うと、ボールは華麗な弧を描きながらゴール左隅に吸い込まれていった。

「中学の時はバンバン決めていたけど、それ以来決めた記憶がない。でも4年生である自分たちが勝たせないといけないという強い気持ちで蹴りました。左に蹴れば入ると思ったので軌道も全部完璧でした」

 主将離脱の責任感が増していた。チームの中心である主将MF田部井涼(4年=前橋育英高/横浜FC内定)が今大会初戦のウォームアップ中に肉離れを発症。チーム内に動揺が走っていた。

 しかし副キャプテンである佐藤は「自分なりにチームをまとめたり、声で引っ張って行こう」と自らを奮い立たせた。田部井の無念は必ず晴らそう。決勝のピッチには日本一を誓って立っていた。

 そして訪れた後半アディショナルタイムの場面。本来であれば田部井が蹴っていたであろうポジションで獲得したFKを、自分が獲得したということもあったが、自ら志願して蹴った。

 練習でもほとんど蹴ったことがないというが、大一番で本職顔負けの一撃を突き刺してみせた。「初めて見たよ、という感じだった」とおどけた表情で振り返った長山一也監督も、「みんな興奮した、笑顔にしてくれたゴールだったなと思います」とプロ内定エースのゴールを称えた。

(取材・文 児玉幸洋)
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