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[MOM814]びわこ成蹊スポーツ大FW塚目憂(4年)_逆転2発のヒーローは救急搬送…仲間が勝利勝ち取る

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びわこ成蹊スポーツ大FW塚目憂(4年)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.25 総理大臣杯3回戦 新潟医療福祉大1-2びわこ成蹊スポーツ大]

 びわこ成蹊スポーツ大を勝利に導いた男は、ピッチ外で地面に横たわりながら試合終了のホイッスルを聞くことになった。新潟医療福祉大に先制を許すが、FW塚目憂(4年=国際学院高)が2ゴールを挙げて逆転。しかしその後、塚目は頭から地面に落下してしまい、途中交代となる。ピッチ外で試合終了を見届けると、その後到着した救急車によって病院に搬送された。

 会場を去った塚目について、仲間たちは「彼がきょうのマン・オブ・ザ・マッチ」と口を揃える。望月聡監督も「苦しい展開の中で2得点を取ってくれた」と称賛した。

 びわこ大は前半27分に医福大にゴールを許し、追いかける展開に。だが、塚目が早い時間帯で同点ゴールを挙げる。同33分、FW石橋克之(3年=立正大淞南高)からの縦パスを受けると、PA手前まで運びつつ、顔を上げてゴールを見据える。右足インサイドでカーブをかけながらシュートを放つと、相手GKを避けるような弾道は右ポストを叩きながらゴールに吸い込まれた。

 1-1で前半を折り返したびわこ大は後半1分、再び塚目の躍動で試合をひっくり返す。PA手前でゴールに背を向けながらパスを受けた塚目は、反転からすばやく右足を振り抜く。またしても放たれた正確無比の弾道はゴール右隅に突き刺さり、2-1と逆転に成功。仲間たちと歓喜の輪を作った。

 だが、後半17分にアクシデント。塚目は相手選手との交錯で体ごと乗り上げた後、頭から地面に落下してしまう。担架でピッチ横まで運ばれると、しばらく苦悶の表情。しかし意識はあり、試合終盤には試合を観る様子も。首や頭を強打した可能性があるため、大事を取って救急車で病院に搬送された。

 一時騒然とした雰囲気の中でも、その後は仲間たちが塚目のためにも奮闘。主将のMF佐々木啓太(4年=岡山U-18)は「相手も前に出てくるのはわかっていた。チーム全体でカバーしながら戦っていこうと、声をかけながら全員でやっていくように意識していた」。怒涛の攻撃を仕掛ける相手を封印し、2-1の点差を守り切った。

 望月監督は塚目の活躍を評価。「振り向きざまに、GKが準備する前に決めたロングシュートは、彼のゴールへの貪欲さという特長が出たと思います。FWの感覚を持っている選手」。指揮官は「あんなに綺麗に出るとは思っていなかったですけど、大舞台で出せたのは褒めてあげたい」と目を細めた。

(取材・文 石川祐介)
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