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世界大会控え、ポルトガルの名門・ベンフィカ練習場でトレーニングの“若きサムライ”が優勝へ手ごたえと意欲

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 「UEFA チャンピオンズリーグ(欧州CL)2014」決勝開催地であるポルトガル・リスボンにて行われる「adidas UEFA Young Champions 2014世界大会」に出場する中学生年代の若き“日本代表”が現地時間20日深夜、決戦の地、ポルトガルに到着。21日午後には13-14年シーズンのヨーロッパリーグ準優勝クラブであるベンフィカのトレーニング施設で行われたベンフィカU-19チームコーチによるトレーニングセッションに参加し、欧州強豪クラブを肌で体感した。

 前日の約19時間の移動と、この日の午前中に行われた欧州CL決勝の舞台、エスタディオ・ダ・ルスの見学などもあってトレーニングが始まる前の段階でやや疲れの色が見えていた選手たちだが、ピッチに立つと切り替えてトレーニングに集中。同じく、「adidas UEFA Young Champions 2014世界大会」に出場するブラジル、アメリカ、そしてベンフィカの同年代の選手たちと1対1、2対2、4対4などで競い合った。

 今回、5対5のミニゲーム形式で戦う「adidas UEFA Young Champions 2014世界大会」に“日本代表”として出場するのはGK津村和希(ヴィテス福岡FC)、野寄和哉(CAグランロッサ)、薮井大和(Jフィールド岡山FC)、梅津克貴(アスペガス生駒FC)、天野悠貴(FC東京U-15むさし)、水野裕太(駒沢サッカークラブ)の中学生6選手。国内3か所で行われた「日本代表選抜大会」を経て選出された6人は、大人に対しても積極的に声をかけてくるブラジル選手などに比べるとまだまだ大人しい印象で声もあまり出ていなかったが、プレー面では自分たちの力が世界相手に通用する手ごたえを感じたようだ。

 4対4ではベンフィカのコーチから「(守備面では)なるべく早く寄せてサイドへ追いやろう。(攻撃面では)なるべくサイドを広く使って短い構成で攻めよう」とアドバイスを受け、選手たちは指摘された部分を意識しながらプレーを続けていた。その後のミニゲームでは野寄や梅津が相手の逆を取るドリブルを見せれば、薮井はフィジカルコンタクトでも外国人選手に負けじと対抗。天野と水野はシンプルにボールを動かしつつ、ここぞの場面では仕掛けてゴールを狙った。守備がハマらずにブラジルの選手たちにポゼッションで圧倒されるようなシーンもあったが、練習後には「相手のレベルはそこまで高くない」と選手たち。「1対1で相手を抜いた時、日本の選手はそこで終わりだけど、海外の選手は諦めずにスライディングしたりしてきたのでびっくりした」と感想を語った梅津だが、「1対1とかは通用したと思う。ブラジルの選手は上手かったけれど、世界大会でも勝てるように頑張りたい」と手ごたえと世界大会への意欲を口にした。また薮井も「ドリブル、1対1は通用したと思うし、フィジカルの部分で勝てた部分があった。世界大会ではそこを活かして全勝したい」と優勝宣言をした。

 特に意欲的にトレーニングを行っていたのが、同時刻に行われていたGKトレーニングに参加した津村だった。英語のやり取りで素早くメニューの意図を掴み、実践。「『決断力と判断力』、『ポジショニング』、『アクションとテクニック』の3つのポイントとした練習でした。練習を楽しくやろうというテーマだったので楽しめたと思う」と笑顔を見せた津村は、GKトレーニング後に行われた6対6でも英語で指示を出すなど、プレー面以外でも積極的にアピールしていた。 

 世界大会は23日に開催。選手たちは個々がやれるという自信を十分に掴んでいる様子で野寄は「せっかくここまで来たからには優勝したい」と言い切り、天野は「みんなでコミュニケーションをとって、最終的に勝ちにもっていけるようにしたい。個々で負けないことをやれば、必ず勝てる」。そして水野は「まだタッチとかがいつもみたいにいかない。でもコンディションを上げて試合ではFWとして点を決めたい」と誓った。時差の影響でコンディションを上げるのはこれからだが、スタッフから「日本代表の選手たちは海外から帰国して前日練習して、試合して翌日には海外へ戻るんだよ」という話を聞き、「自分たちも」の思いを強めた選手たちが世界相手に個々の能力と日本のレベルの高さを見せつける。

(取材・文 吉田太郎)
 

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