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[JFAプレミアカップ2015]京都U-15が6発V!選手全員の目標、世界大会出場権獲得!!

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[5.5 JFAプレミアカップ決勝 札幌U-15 0-6 京都U-15 J-GREEN堺]

 U-15年代の日本一を争う「JFAプレミアカップ2015」は5日に決勝を行い、初優勝を目指すコンサドーレ札幌U-15(北海道)と、4年ぶり3度目の頂点を目指す京都サンガF.C.U-15(関西、京都)が対戦した。

 立ち上がりに主導権を握ったのは札幌。これまで怪我人の影響により、左SBでの起用が続いた福田心之助が本職である左MFで先発。持ち味である縦への仕掛けでサイドを駆け上がり、ゴール前へのクロスや彼のサポートに入る動きを活かした攻撃で札幌は相手ゴールに迫る。6分には福田が左サイドを上がり、ゴール前に速いパスを展開。ニアでMF中村友哉が合わせたが、京都U-15GK井ノ尾匠がブロック。札幌はこぼれ球を拾ったが、シュートまで持ち込むことができない。

 対する京都も守備から素早く攻撃に転じ、チャンスを模索する。すると、16分に相手エリアでFKを獲得。MF福岡慎平がゴール前に入れたボールをMF江川慶城が頭で合わせて均衡を破った。「前半は相手のペースだったので、ここで決まったらこっちに流れが来ると思っていた」という主将の一撃で目を覚ました京都は良い流れのまま、前半を終えた。

 1点リードで迎えた後半は完全に京都のペースに。逆転を狙う札幌が攻撃意識を高めた結果、「これまで中盤の選手が最終ラインのビルドアップに顔を出していたのが、今日は少なかった。パスコースがないから、トップへのボールしかなくなったのかもしれない」(佐藤尽監督)。攻撃と守備の距離が離れた影響で、ボールを持ってから出す所を探す場面が増えた札幌の隙を京都が逃さず、前線から連動したプレスでボールを奪い、奪ってからDF裏のスペースを積極的に狙っていく。

 策略通り、京都U-15は後半5分に相手DFのクリアをMF杉田迅が高い位置でカット。素早くPAにスルーパスを入れると、抜け出したFW服部航平がゴール左隅に流し込んで2点目をマークする。11分にもボール奪取から素早くパスを繋ぎ、杉田がゴール前へスルーパス。再び服部がフリーで反応し、ゴールネットを揺らした。

 京都U-15の勢いは止まらず、13分にはFW栗山高季のインターセプトを起点に福岡、25分にはFW津野絢世が打ったシュートのこぼれ球を栗山が押し込んで点差は一気に5点差に。残り時間がわずかとなってからは逃げ切り体勢に入ったものの、29分には左サイド高い位置でのスローインから杉田がシュート。相手DFに当たったこぼれ球を服部が押し込み、終わってみれば6-0の大勝でタイムアップを迎えた。

 3日で5試合をこなす過密日程だけでなく、前日は広島ジュニアユースと延長戦の激闘を繰り広げ、疲労が残る状態での決勝戦。決して万全のコンディションではなかったが、最後まで相手を凌駕する動きを見せた。豊富な運動量を支えるベースとなったのは「体力をコントロールするのはメンタルの強さ。今年のチームは一人ひとりの気持ちが強く、それを目覚めさせてくれる仲間がたまたま、集まった」と岸本浩右監督が話すように、精神面にある。今年の京都U-15は「しっかり者なので、監督は彼。僕はいらないんです」と岸本監督が冗談を飛ばすほどのキャプテンシーを見せる江川を中心に逞しさを見せるのが特徴。今大会でも、選手主体に相手チームの分析を行い、試合中も対策を練ってきたという。

 また、「選手全員が世界に行きたいという気持ちが強かった」とGK井ノ尾が話すように、U-15年代の大会で唯一、世界に通じる大会であったこともモチベーションの一因に。今大会の優勝により、8月に行われる「プレミアカップ・ワールド・ファイナルズ」に日本代表として挑む。服部が「高木彰人クンらがいたガンバ大阪が、3年前に世界2位になっているので、僕たちは優勝したい」と口にしたように、すでに視線は世界一を捉えている。彼らの次なる挑戦からも、目が離せない。

(取材・文 森田将義)
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