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小笠原、被災地への思い…復興は「思うように進んでいない」

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[12.28 チャリティーマッチ 東北ドリームス5-3JAPANスターズ ユアスタ]

 ケガのためチャリティーマッチに出場しなかったMF小笠原満男(鹿島)は試合後に日本プロサッカー選手会を代表して挨拶し、「僕らの試合が復興を加速させる何かの力になればいいなと思いますし、これからも続けていきたいと思っています」と、あらためてさまざまな形での継続的な復興支援活動を誓った。

 岩手県盛岡市出身の小笠原は11年3月11日の東日本大震災後、だれよりも復興支援活動に力を注いできた。何度も被災地に足を運び、できる限りの支援を続けている。前日27日にも岩手県大船渡市を訪問し、子供たちと交流。「触れ合ううちに子供たちはどんどんサッカーがうまくなっている」と喜んだ一方、「ただ、街を見ると、(復興は)思うように進んでいない」と、依然、色濃い震災の爪痕に心も痛めた。

 この日のチャリティーマッチは、プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの銀次がキックインセレモニーを行い、後半20分にはPKの場面で急きょ“ピンチキッカー”として登場。見事にPKを決め、スタンドを盛り上げた。仙台を本拠地とする楽天の選手であり、岩手県出身でもある銀次。小笠原は「プロ野球で日本一になって東北を盛り上げてくれて、こうしてサッカー界にも来てくれて、本当にありがたい」と感謝する。

「サッカーと野球も同じスポーツ。一緒にいい報告ができるようにがんばっていきたいし、また一緒に何かできればいいと思う」。同じ岩手出身のプロスポーツ選手として復興支援に力を合わせていきたい考えを明かした小笠原。「昨日も、Jリーグを目指してがんばっているという子供たちがたくさんいた。その言葉を聞いたときはうれしかったし、サッカー選手が触れ合う意味は絶対にある。岩手には身近にJリーグがない。Jリーガーが岩手に行って、子供たちがサッカーに興味を持ってくれるようになったことは進歩だと思う」と話していた。

(取材・文 西山紘平)

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