beacon

「NIKE MOST WANTED」、MF波田野海は技術に加え、Yo-Yoテスト1位の走力でアピール「手応えあります」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 世界最高峰のトレーニングセンター、クレールフォンテーヌ(フランス)で開催されている「NIKE MOST WANTED グローバルファイナル」は29日、本格的にセレクションをスタート。午前中には3対1や4対2のパス回し、そして4対4+フリーマンなどボールを使ったメニューを行い、午後にはフィジカルテストが実施された。この日はフランス代表のディディエ・デシャン監督も現地を訪れて「プロになりたかったらトライし続けなさい」と選手たちにエール。“日本代表”としてこの「世界で戦える若きフットボールプレイヤーを発掘するスカウトプロジェクト」に参加し、“欧州プロ予備軍”とも言える「NIKE ACADEMY」入りを目指しているMF高梨起生(尚志高流通経済大)とMF波田野海(聖和学園高卒)は「楽しかった」と29日のセレクションについて振り返った。

 波田野はYo-Yoテストでグループ1位の快走。瞬発系に自信を持っているというMFは持久力でもアピールに成功した。午前中のセレクションではチームメートがボールを失うシーンが多く、なかなかいい形でボールを受けるシーンが少なかったが、その中でもボールの落ち着きどころとなり、パスワークの中で技術の高さを発揮。その波田野に29日のセレクションの感想などを聞いた。

●MF波田野海
―きょうから本格的にセレクションが始まったが、終えてみての感想を
「言葉の部分でサッカーの時に全然通じないかなと思ったんですけど、自分が思っている以上に初めての割には海外の選手とコミュニケーションが取れたので楽しかったです」

―楽しかったということは前向きな出来だった?
「上手くいかない部分もあったんですけど、個人的にできなかったことよりも、周りと合わなかったこととかそういう部分がダメだっただけなので楽しかったですね」

―個人的なパフォーマンスについては
「あまり取られず、パスとか起点になれたと思います」

―最後のラン含めてアピールできたと思うが
「手応えはあります」

―ランでは最後スイッチが入っていた
「キツかったんですけど、(高梨)起生に負けないようにしました。高校(聖和学園)は走らないですけれども、苦手ではないです」

―ボールが来なくてモヤモヤすることもあったのでは
「言葉は通じないですけどサッカーを通じてやりたいことは何となく分かるので伝えていきたいし、自分も吸収して教えてもらったり、コミュニケーションとって調整していきたい」

―良くコミュニケーションを取ろうとしていたが、どういう声がけを?
「分かる英語で。展開するゲームで中盤の人が後ろ見たりして、いつ出てくるのか分からないのにボールを見ていなかったりしたので英語で『いつでもボール受けれるようにしておけ』と言いました」

―(外国人選手のプレーで)自分のイメージしていたところと違う部分はある?
「球際は日本人よりも本当に強くて足とかにも来る」

―きょうに関しては“聖和らしさ”という部分は少なかったのでは?
「結構シンプルなゲームだったので、あそこでドリで入っていてもチャンスになるというのは少ないかなと。パスどんどん回していって当てるところは当てていけばいいと考えていました。(海外の選手とのパスワークにも比較的順応していたが)聖和の中では自分はパスくれ、ワンツーしようという感じ。(あす以降は)パスを回していって、その中でたまにドリをしていきたい」

―聖和学園の加見監督と連絡は?
「アントラーズへの練習参加終わったあとにLineで『おめでとう。頑張って来い』と。『ありがとうございます。頑張ってきます』と返しました」

―大学進学をせずに海外挑戦する予定。いつ頃から海外への夢は持っていた?
「大学行ったとしても合わなかったりしたら、辞めていくことも考えていたし、個人的に4年終わった後に海外行くのは遅いと感じていた。その時にマネージメントの人が声かけてくれて」

―自分にとって海外サッカーとは
「自分的には日本よりも面白いサッカーをすると思う。日本だったら蹴ってしまうところを繋いだり、ただ繋ぐんじゃなくてお互い考えてプレーするところとかですね」

―ドイツに行きたいという理由は
「はじめはマネージメントの人にプレーを見てもらってドイツがいいよと言われたんですけど、ドイツの動画とか見てドリブルとかサイドの突破とかは自分に合っているのかなと思いました」

―自分にとってヒーローは
「海外だったらやっぱりネイマールとか。元々試合前とかモチベーション上げるために見ていた動画はネイマールでした。今回は飛行機で見ました」

―あしたへ向けて
「止めて蹴るとか、運ぶとか、そういう技術では負けないと思う。チームとしてはそういう持てる場所というか、落ち着かせる場所になってプレーしたいと思います」

―きのう、ナイキアカデミーの選手のプレーを見て「やれる」と話していたけれど、きょう終えてみて感想は変わった?
「技術の面では、その気持ちは変わらないです」

(取材・文 吉田太郎)

TOP