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ブラインドサッカー日本代表合宿でアブディンが残留アピール弾。”アブディン節”も炸裂

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動きが少し軽くなったアブディン(右)

ブラインドサッカー日本代表合宿が24日、報道陣に公開され、午後は実際の試合より1人少ない4対4の紅白戦を3本行った。2016年にスーダンから帰化したFPアブディン・モハメドがゴール。3本の試合で得点したのはベテラン・黒田智成とアブディンのみ。早ければ今週中にも発表される3月19日開幕の「ブラインドサッカーワールドグランプリ大会」の日本代表残留を猛アピールした。

「ゴール? まだまだ。チャンスはまだあったし、(ボールを奪われた後の)戻りも遅かったりするから。今日は(GKを除いた)フィールドプレーヤーは3対3だから、選手にとってはスペースがある。試合の時はそうはいかないからね。でも、結果とること求められているし、ゴールはめっちゃ、気持ちいいね」

 昨年から代表候補の位置づけのトライアル選手として、定期的に合宿に招かれ、今年1月から強化指定選手に昇格。シュートがジャストミートしたときのインパクトの迫力、一発で仕留める爆発力を期待されている。ただ昨年秋の時点で体重が76㎏あり、まずはダイエットしてキレを戻すことをリクエストされた。合宿では練習後にコーチと一緒にランニングをすることが日課となっていた。

「家でもエアロバイクを通販で買ったから、仕事が終わると毎日夕方、20分こいでいるよ。そうしたら70㎏前後まで減ってきた。(2015年に事故で痛めて)もともと膝がよくないんだけど、体重が減れば減るほどひざの状態がよくなる。踏ん張りとかが利くんだよ。今は大食いもしないで我慢してるね」

まだ76㎏あった頃のアブディン

 ここからはスーダン出身とは思えない、流ちょうな日本語で周囲を笑わせる「アブディン節」が炸裂した。

「まだ体重が76㎏あった時、『オレは12㎏減ったら、怜(川村)よりうまくなりますから。怜はベンチだから』って宣言しちゃった。(高田)監督や怜とかみんながいる前でね。実際は12㎏も減らないと思って大口たたいていたんだけど、もう6㌔減って、あと6㎏だよ。やばいって(笑)」

 いや、やばくない。むしろ首脳陣やファンはみんな、絶対的エースの川村をベンチスタートに追いやるぐらいの選手になってほしいと願っている。アブディンは最後、真面目に?締めた。

「実際はあと3、4㎏減らして、ひざのインナーマッスルも鍛えて『どうだ』と周りに言える体にしたいよ。体のどこを抑えられても、背中に背負っても決められるようにね。(代表は)アピールし続ければいつか呼んでいただけるのではないかと思います。それまでは頑張り続けたい」

▼日本代表合宿 参加メンバー
GK佐藤大介(たまハッサーズ)
GK高橋太郎(ラッキーストライカーズ福岡)
GK佐々木智昭(コルジャ仙台ブラインドサッカークラブ)
FP川村怜(Avanzareつくば)
FP黒田智成(たまハッサーズ)
FP田中章仁(たまハッサーズ)
FP日向賢(たまハッサーズ)
FP加藤健人(埼玉T.Wings)
FP佐々木ロベルト泉(Vivanzareつくば)
FP寺西一(松戸・乃木坂ユナイテッド)
FP佐々木康裕(松戸・乃木坂ユナイテッド)
FPアブディン・モハメド(Vivanzareつくば)
FP園部優月(free bird mejirodai)

(取材・文 林健太郎)

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