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[デフフットサルW杯]男子は前回ベスト4のロシアに終了間際に決勝ゴールを献上 9位以下の下位リーグへ

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金髪にした東海林直広主将の執念は実らず(提供:日本ろう者サッカー協会)

【デフフットサルワールドカップ2019】(スイス・ヴィンタートゥール)
デフフットサル男子日本代表1-2(前半0-1)ロシア代表

 デフフットサルのワールドカップ(W杯)が11日、予選リーグ第3戦が行われ、日本代表は1-1で迎えた試合終了間際、ロシア代表に勝ち越し弾を許し、1-2で敗戦。
同じ組のもう1試合は、ブラジルが7-0でポーランドを下し、ブラジル、日本、ポーランドが勝ち点3で並んだ。当該対戦の得失点差でブラジルが+4、日本が+2、ポーランドが-6となり、ロシアとブラジルが決勝トーナメントに進出。日本は9位以下の下位リーグ決定戦に回る。

 2試合続けて、最後の最後に失点した。もし引き分けで切り抜けられれば、決勝トーナメントに進出で来ていた。敗れた現実は簡単に受け入れることができない。試合後、主将の東海林直広は謝罪した。

「またもや残り数秒の失点で敗れてしまいました。このような形で多くの方々を裏切る形になり、大変申し訳ありません」

 前回ベスト4のロシアに前半リードを許したが、後半に吉岡成哲の同点ゴールで追いついたが、残り1分で勝ち越された。

 東海林は普段、中古車などのTV、インターネットオークションを運営する「㈱オークネット」で働くサラリーマン。10月から休職してこのW杯に備えてきた。普段は黒髪だが、休職期間中に金髪にした。金メダルの金。日本を出発する前、東海林はこう明かしていた。

「出発前に1回髪を染めて、ブルーアッシュにするつもりです。青は日本代表の青です。ただ、このブルーアッシュは1週間ぐらいすると色が抜けて、この色(金色)になるんですよ。だから決勝を迎えるときにはこの色なんですよ」

 髪の毛の色の変化にもこだわって、決勝に照準を合わせていたが、最後まで勝負を捨てない世界の厳しさの前に決勝トーナメントにすら進めない試練にさらされた。

 川元剛監督もお詫びの言葉を並べた。

「この4年間、選手達は努力を続けてくれましたが、踏ん張り切れませんでした。全ては監督である私の力の無さです。応援して頂きました全ての方々、このチームに関わってくれた全ての選手の皆様、日頃からサポート頂いておりますスポンサー様、最後まで熱いサポートをして頂きました協会関係者の皆様、本当に申し訳ありませんでした」

 メダル獲得の可能性は消滅したが、これまで日本代表戦士が歯を食いしばってきたのは、メダル獲得以上に、未来の代表戦士たちに何らかの「遺産」を残すことにあったはず。日本代表の誇りを取り戻すためにも、残り2試合、精神的に落ち込んでいるであろう代表戦士たちがどんな戦いぶりを示せるかが問われる。

得点者
[日本代表]
(後半)
吉岡成哲

先発メンバー
[日本代表]
GK1千葉駿介
FP9鎌塚剛史
FP3設楽武秀
FP7東海林直広
FP10松本弘
監督川元剛

【男子日本代表スケジュール】
≪予選≫
11月09日〇5-2ブラジル
11月10日●4-5ポーランド
11月11日●1-2ロシア

≪決勝ラウンド≫
11月13日 準々決勝ほか
11月14日 準決勝ほか
11月15日 順位決定戦(5位~12位)
11月16日 決勝、3位決定戦
※時間は日本時間、( )は現地時間。スケジュールは変更される場合あり

大会の公式HPはこちら

【W杯男子日本代表】
GK1千葉駿介(千葉・MARE PARADA)
GK12折橋正紀(埼玉・AVANOL/SORDO)
FP3設楽武秀(埼玉・スプリズ)
FP4土屋祐輝(千葉・MARE PARADA)
FP5船越弘幸(大阪・Gypsy futsal club)
FP6上井一輝(和歌山・LIGAR.F.C)
FP7東海林直広(埼玉・AVANSOL/さいたま)
FP8吉野勇樹(埼玉・AVANSOL/SORDO、REPLO TOKYO)
FP9鎌塚剛史(千葉・トルエーラ柏)
FP10松本弘(埼玉・AVANSOL/SORDO、REPLO TOKYO)
FP11野寺風吹(茨城・筑波大学蹴球部、VELDADEIRO/W.F.)
FP13宗澤麟太郎(埼玉・AVANSOL/SORDO)
FP14吉岡成哲(埼玉・AVANSOL/SORDO)
FP15仲井健人(埼玉・AVANSOL/SORDO、REPLO TOKYO)

≪スタッフ≫
監督:川元剛
コーチ:金尾直紀
ゴレイロ(GK)コーチ:定永久男
トレーナー:橋本賢太
メンタルトレーナー兼通訳:田中賢二
スタッフ:畑村聖子

最終メンバーの詳細はこちら

(取材・文 林健太郎)

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