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いわきFC復帰のバスケス・バイロン、チリでは半年外出禁止、デビューお預け帰国も「手ごたえとしては通用した」

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いわきFCに復帰したバスケス・バイロン(オンライン会議アプリ『Zoom』のスクリーンショット)

 期限付き移籍していたチリ1部のウニベルシダ・カトリカから復帰したFWバスケス・バイロン(20)が、オンライン取材に応じた。

 バイロンは今年2月にウニベルシダ・カトリカへの期限付き移籍を発表。母国チリで20年12月31日までの契約で武者修行を決断した。

 しかし世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、3月からリーグ戦はもちろん、クラブの活動もストップ。希望を胸に向かったはずが、首都サンティアゴの自宅から外に出ることすらままならない生活を余儀なくされ、自主トレーニングをひたすらこなすだけの日々を過ごした。

「サッカー面は3月から8月中旬くらいまで止まっていて、8月中旬以降から練習し始めました。でも短い期間でしたが、一番は南米っぽい激しいプレスにしても1対1で負けない、そこが(日本と)違うなと思いました」

 9月に再開されたリーグ戦でのデビューは叶わなかったが、練習での紅白戦は数多くこなすことができた。同クラブには欧州や南米、中東の強豪クラブに所属してきた各国代表クラスの選手が多数所属。そこで「手ごたえとしては通用した」「違う世界でもなかった」という感覚を持てたという。

「レベルも高かったし、僕が対峙していたSBはチリ代表だった。ドリブルの仕掛けや対人の仕掛けといった強みを持っているので、手ごたえとしては通用した。自分のレベルを確かめられたし、チリ1部のトップにあるなという感覚です」

 移籍期間を切り上げての帰国については、「日本の良さを改めて学べた。また日本でプレーしたいなと純粋に思った」からだという。ただ「日本からステップアップしたい。代表選手になりたい」という夢を諦めたわけでは決してなく、逆に「見る目」を広げられたと振り返る。

「チリでやりたいというのが小さい頃からの憧れだった。行ってみて、自分の目で知れて、サッカーレベルも感じることができた。本当に行かなければ22、23歳になっても行きたいと思っていただろうし、ここで19歳で行こうと思って行けたことは見る目も変えることができた。これからがもっと楽しみになりました」

 来季以降については「時間が経つとともに自然に」と未定であることを強調。当面の目標はいわきFCのJ3昇格に置いている。いわきFCは現在、JFLでJ3参入圏内の4位と勝ち点5差の10位。残り5試合の正念場を迎えている。

 公式戦の出場からは半年以上遠ざかっているが、紅白戦などを数試合こなせば試合勘も戻ると自信をみせる。バイロンは11月1日の次節、Honda FC戦から出場が可能で、現在3連敗中のチームの起爆剤として期待がかかる。「J3への切符が目の前にある」。今はいわきで目標を達成するためだけに集中する。

(取材・文 児玉幸洋)

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