beacon

パラリンピックでメダル獲得へ…ブラインドサッカー日本代表が練習公開、高田監督「今までやってきたことの自信はどこの国よりもある」

このエントリーをはてなブックマークに追加

強化合宿を行うブラインドサッカー日本代表

 ブラインドサッカー男子日本代表は24日、ブラインドサッカー専用ピッチ「MARUI ブラサカ!パーク」でメディア公開練習を行った。同代表は5月末に国際視覚障害者スポーツ連盟(IBSA)公認の国際大会「Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川」に参加。そして8月末には東京パラリンピックに臨む。

 パラリンピック初出場となるブラインドサッカー日本代表は、本番に向けて着実に準備を進める。同代表は2月中旬からトレーニングを本格的に再開。新型コロナウイルス感染予防を徹底しながら、強化合宿やオンライントレーニングを行っている。

 この日は午前中のトレーニングをメディアに公開。昨年オープンした「MARUI ブラサカ!パーク」では初のメディア公開練習となり、12選手が参加した。序盤はストレッチで体をほぐすと、バランスボールとボールを使った練習、ドリブル練習、パス練習と続き、最後は3対3の実戦形式も行った。

1ゴールを決めた佐々木ロベルト泉(右)

 3対3ではヨーロッパの強豪を意識した内容となった。攻撃面ではGKからのパスを起点に、縦へのカウンターを狙う。相手の中盤2選手の背後を突くように、壁際に張るような形で選手は待ち構え、ボールを持ったらゴールに迫る。守備面では、攻撃から守備への切り替えに重点を置き、強豪の鋭いドリブルをイメージして強く当たる場面も目立った。時間制限付きでオープンな展開が続くも、選手たちの体力は尽きず。日頃のフィジカルトレーニングの成果を確認しつつ、最後には佐々木ロベルト泉がドリブル突破からゴールを決めた。

 高田敏志監督はこれまでの練習を振り返り、「前回の緊急事態宣言が解除されてからフィジカルのコンディションはわりと良い」と選手の状態を語る。一方で、懸念はコロナ禍の影響で国際試合から約一年半以上も遠ざかっている点。「サッカー的なプレーのクオリティ、そのあたりのコンディションが戻っていなかったので、ようやく先週くらいからゲーム形式、5対5でできるようになった。プレーの強度、攻守とその切り替えの4局面のところの動きを、しっかりと意図的に思い出しながらやっていこうということで、サッカーのクオリティを元に戻すことをやっています」と現状の取り組みを語った。

 約一年半のブランクが空いた中で、5月30日から6月5日にかけて国際大会「Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川」の開催が決定。参加国はいまだ未発表のままだが、指揮官は「とにかく試合ができることが嬉しい」と喜びを表す。「参加国がリスクを背負って日本に来てくれて、日本ブラインドサッカー協会の運営の方々もものすごい大変な作業で大会を作ってくれている。ワールドグランプリは毎回一生懸命やっていたんですけど、今回は普通の大会じゃないっていう気持ちでいます」と意気込みを伝えた。

 さらに、8月には待ち望んだ東京パラリンピックが控える。本来の開催年度から一年延期して迎える本番。指揮官は改めてメダルへの強い意志を語る。

「今まではチャレンジとかプロセスも大事にしていた。本番も彼らの選手人生においてはプロセスのひとつかもしれない。でもやっぱりこの4年間、色んな人に協力してもらって、サッカーができたことに対する感謝を、勝ってメダルという形でひと区切りをつけたい。あんまりメダルっていうプレッシャーをかけてもしょうがないと思うんですけど、プレッシャーがかかってビビるようなレベルじゃない。それだけトレーニングもやってきているので、自信を持っていきたいと思います」

「勝負への自信はやってみないとわからないですけど、今までやってきたことの自信はどこの国よりもある。それを自分たちで自覚してやっていきたいです」

 5月末開催の国際大会「Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2021 in 品川」の出場国と組み合わせ抽選会は今月28日に、日本ブラインドサッカー協会のYoutube公式チャンネル(https://youtu.be/iK9Rf__mtiY)でライブ配信される。

囲み取材に応じる高田敏志監督


(取材・文 石川祐介)

●ブラサカ/障がい者サッカー特集ページ
●日本障がい者サッカー連盟(JIFF)のページはこちら

TOP