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[選手権]近大和歌山が2年連続ベスト16進出(長崎日大vs近大和歌山)

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[1.2 第87回全国高校サッカー選手権大会2回戦 長崎日大(長崎)0-1近大和歌山(和歌山) 埼玉]

 埼玉スタジアム2002の第2試合は、1回戦で丸岡(福井)に2対1で逆転勝利した長崎日大(長崎)と、北海(北海道)を下し2大会連続ベスト16入りを狙う近畿大学附属和歌山(和歌山)のカード。試合は近大和歌山が前半にPKで決めた1点を守り、1対0で勝利。3回戦で滝川第二(兵庫)と対戦することになった。

 前半はスピードあるサイド攻撃で、近大和歌山がやや優位に立つ。また、初出場の長崎日大は、初の選手権という舞台で普段よりも「プレーの判断が遅い」(亀田陽司監督・36)など、本来の力を出せずにいた。

 そして19分。近大和歌山はMF木村祥吾(3年)が迫力あるドリブルでペナ内に侵入すると、DFがファウルで止める。「正当なチャージ」(亀田監督)かとも思われたが、主審の判断でPKに。これをキッカーの近大和歌山・MF谷口総康(3年)が冷静に決める。
 
 追いつきたい長崎日大は後半の頭から動く。ボランチのMF西村大輔(3年)を投入し、初戦と同じく試合途中に3バックから4バックに変更。「サイドが破られていたのをケアする」(亀田監督)ことが狙いだった。
 これがうまくハマった長崎日大は盛り返す。さらに51分にMF松岡浩平(3年)、76分にFW宮本省吾(1年)という攻撃的なカードを切り、勢いを増してくる。
 しかし、分厚い近大和歌山の守備をどうしても破れないまま時間は過ぎ、ゲームは終了。近大和歌山が辛くも逃げ切った。
 
 近大和歌山の勝因は川合廣征監督(47)の戦略にあった。
「ビデオを見て相手を研究したら、相手は中央の攻撃が強いことがわかった。それで初戦は1ボランチだったけど、今日はFM木村祥吾(3年)の位置を下げてWボランチにして、バイタルエリアを埋めるようにした」
 そのため、長崎日大は1トップの点取り屋・FW前田大智(3年)までクサビのパスが入らず、苦しんだのだ。
 
 近大和歌山は次戦、滝川二との関西対決を迎える。
 「11月下旬に滝川二さんと練習試合をした時は、確か0対0だった。でも内容では完敗(笑)。胸を借りるつもりで戦いたい」
 川合監督はそう謙虚に話したが、守備力の高さは本物。初のベスト8入りの扉を開くためには、得点力が鍵を握りそうだ。

(取材・文 小林智明)

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