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[総体]PK戦10人目に決着!市立船橋が正智深谷下して8度目Vへ王手!

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平成25年度全国高校総体
「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技

[8.6 全国高校総体準決勝 正智深谷0-0(PK9-10)市立船橋 レベスタ]

 6日、平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技準決勝が行われ、第1試合では正智深谷(埼玉2)と市立船橋(千葉1)が対戦。0-0で突入したPK戦の末、10-9で市立船橋が勝ち、優勝した10年以来3年ぶりの決勝進出を果たした。7日の決勝では流通経済大柏(千葉2)と対戦する。

 互いのキッカーがGKにとってほぼノーチャンスのシュートを打ち込み続けたPK戦。先行・正智深谷の10人目、CB荒井洸希(2年)の強烈な右足シュートを市立船橋のU-18日本代表候補GK志村滉(2年)がストップする。2年生守護神の好セーブで勝利に大きく前進した市立船橋は、MF打越大樹(2年)が緊張感の高いシュートを右足で左上へ決めて決勝進出の権利を勝ち取った。苦しんで掴んだ決勝切符。エースFW石田雅俊(3年)は「心臓が破裂するかと思った。(勝利が決まった瞬間は)超、大喜びでした」と素直に喜びを表現した。

 2回目の出場で初めて4強へ進出した正智深谷と最多7度の優勝を誇る市立船橋との関東対決。試合は静かな立ち上がりとなった。ボールを保持する市立船橋は最終ライン近くでゆっくりとしたパス回し。時折楔への鋭い縦パスを通し、最終ラインからロングフィードを狙う場面もあったが、過去2試合連続で立ち上がりに得点している市立船橋としては非常にスローな立ち上がりだった。

 一方、積極的に相手との距離を詰める正智深谷は右MF加藤航四郎(3年)が高い位置で身体の強さを発揮するシーンもあったが、市立船橋の強力CBコンビ、日本高校選抜DF磐瀬剛(3年)とDF柴戸海(3年)を脅かすような攻撃をすることはできない。16分にオナイウが鋭いターンから強引に右足シュートを放ったが枠を外れ、一方の市立船橋も石田がワンツーから攻撃をスピードアップさせ、21分には左SB山之内裕太(3年)のアーリークロスにFW横前裕大(3年)が飛び込む場面もあったが、20分過ぎまでシュートを打つことができない。

 28分には突如、両チーム通じて最初のビッグチャンス。正智深谷はMF諸岡裕人(3年)のループパスからMF齋藤雄士主将(3年)が抜けだしてGKと1対1となったが、シュートは距離を詰めた志村にブロックされてしまう。市立船橋も30分に山之内のフィードから横前が抜け出しかけるが、得点に結びつけることができなかった。

 後半は徐々にペースアップ。特に切れ味鋭いドリブルを武器とするMF栗田怜(2年)を4分に投入した正智深谷が好守から決定機をつくり出す。19分、スルーパスに反応した栗田がDF2人を振りきって決定的な右足シュート。だが、これはゴール左へ外れ、22分に加藤の折り返しから齋藤が切り返して放った左足シュートは市立船橋MF打越のスーパークリアに阻まれてしまう。一方、後半から3バックへ変更した市立船橋は攻撃から守備への切り替えの速い正智深谷の前に得意のダイレクトパスがつながらず、決定機をつくり出すことができない。また前への迫力も欠いていた。それでも33分、左サイドを崩して交代出場のMF室伏航(3年)が中央へ折り返す。だが、フリーでファーサイドへ飛び込んだ石田のスライディングシュートは枠を捉えず。ただ相手に得点を与えなかった市立船橋は10人目までもつれ込んだPK戦の末に何とか準決勝を突破した。

 市立船橋は相手の好守にパスコースを消され、また運動量が上がらずにここまで見せていた積極性、ゴールへの意欲の高さを発揮することができなかった。朝岡監督は「情けない限りです。ハードワークだとか市船が持っていなければいけない強さを感じなかったので、そこのところは外してはいけないなと思いました。(チームとして)上手くいかない分、気持ちが前に出ていかなかった部分があったと思う。気持ちの部分はもう少し逞しくないと走りきれないこともですけど、ウチが外してはいけないところで弱さがあったと思います。鍛え直します(苦笑)」と厳しい指摘。内容的に不満の残った準決勝の悔しさは決勝で取り返す。そして8回目の日本一へ。決勝では磐瀬とMF藤井拓(2年)の2人を累積警告による出場停止で欠くが、石田は「キツイけれど、重いものを背負って勝ちたいです。絶対に獲ります。全部出し切ります」と彼らの分も戦って勝利することを誓っていた。
 
(取材・文 吉田太郎)
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