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[MOM1043]大分西MF河辺駿太郎(3年)_「最悪」の無得点も存在感、ライバルより先に全国でゴールを

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.1 全国高校総体大分県予選準決勝 大分高 2-2(PK2-4)大分西高 大分スポーツ公園]

 本人は試合後「最悪でした」と首を振った。大分西高の首藤啓文監督も「本当はもっとキレがあるんだけど・・・」と首を捻り、「明日は決めろよ!」と発破をかけていた。大分西の10番、FW河辺駿太郎(3年)は今大会初めて無得点に終わった大分高戦について「こういう試合で取れないと、本当のエース、真のエースにはなれないと思う。空回りして焦ってしまっていた。情けなかった」と悔しがり、唇を噛んだ。

 それでもピッチ上での動きは他の誰よりインパクトがあった。PA近くでボールを受けるとまさに脅威。「DFの逆を取ることを常に意識している。ドリに関しては負けたくない」というアタッカーは速さと馬力も武器に、寄せてくるDFをいなすように前へ出て、確実に決定的なラストパスやシュートにまで持ち込んでしまう。例えゴールから離れた位置でも彼にボールが入ると、攻撃は一気にスピードアップ。同時に控え選手たちのゴールへの期待も高まっていた。

 セットプレーのキッカーも務める河邊は左足でCB法野功太郎主将の先制点をアシストし、延長前半9分には右足キックで2点目のゴールをおぜん立て。厳しいマークの中で上手く周囲も活かしてプレーしていたが、シュート精度を欠くなど無得点に終わり、自身に対する怒りを口にしていた。

 昨年度全国高校選手権に出場した中津東高のFW山本隼斗は最大のライバル。中学時代は知らない間柄だったというが、昨年、河辺が大分西の2年生エースとして全国総体に出場し、山本が中津東の2年生エースとして全国高校選手権に出場したことから、「注目選手同士」として打ち解けるようになったという。前日5月31日に行われた準々決勝ではその中津東と直接対決。河辺、山本がともにゴールを奪い合った結果、延長戦の末に大分西が4-2で勝利した。試合後、ライバルから「絶対全国行って、暴れて来い」とメッセージを受けた河辺は決勝での必勝を誓う。

 昨年の全国総体は2回戦で富山一高に0-1で敗退。「何もできなかった。(目標のプロになるためには)全国で取れる選手じゃないとダメ。シュート練習は意識してしてきた。もう一回(全国で)勝負したい」。河辺も山本もまだ全国では無得点。河邊はまず総体で全国切符を獲得し、全国舞台でライバルよりも先にゴールを決める。

(取材・文 吉田太郎)

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