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[総体]【特別企画】“ユース教授”安藤隆人氏のG、Hブロック展望「特に皆実、鵬翔、市船の山、Hは激戦ブロック」

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平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技
“ユース教授”安藤隆人氏のブロック展望

※◎、○、▲は安藤氏のブロック突破候補

[Gブロック]
帝京大可児高(岐阜)、◎青森山田高(青森)、前原高(沖縄)、○尚志高(福島)、▲麻布大附高(神奈川1)、鹿島学園高(茨城)、東邦高(愛知)

 青森山田と尚志の東北勢2校がポイントになると思います。優勝争いの展望でも話しましたが、守備が安定している青森山田は総合力も高く、セカンドチームが去年はプリンス準優勝。今年も上位につけるほどは抜けています。そして昨年から主力の小笠原(学)山下(優人)は経験もありますし、松木(駿之介)野口(雄輝)丹代(藍人)あたりも精度の高いプレーをするし、北城(俊幸)も伸びてきていると聞いている。ボクは3回戦で青森山田と尚志との戦いになるんじゃないかなと思っています。ただ青森山田と初戦で戦う前原は30数年ぶりの出場ということで楽しみですし、暑さに強いチームなので油断できない相手だと思います。

 尚志はスピードと強さのあるアタックに注目。今年のプリンスリーグ東北で首位に立っているので実力は今大会でも上位だと思います。その尚志と初戦で戦う麻布大附は監督の安彦(篤)さんのイズムが浸透していて、連動した崩しは見ていても面白いです。阿部(速秀)竿下(征也)塚越(亮)中山(克広)伊藤(太玖)の連動した崩しは魅惑。これは全国でも通用すると思うんですよ。だから麻布大附と尚志は好カード。麻布大附はどの相手に対してもバイタルエリアでリズムを掴んでしまう。特に注目は塚越のポジショニング。尚志は塚越をどう抑えるかどうかがポイントになってくる。彼を自由にさせたら尚志も危ないと思います。

 帝京大可児は去年のメンバーが大分抜けているんですけど、ポゼッションを軸とした攻撃の質は高い。藤田章太郎を中心に、県予選ではFW黒木(将太)が伸びてきたし、裏にも抜け出せる選手なので彼を上手く活かせばチャンスはある。DFでは森永(佑)が身体を張って守ることができるので、黒木、藤田、山口(開)、森永というセンターラインの出来次第では番狂わせも起こせると思います。そして東邦の縦に速いサッカーは夏に効力を発揮するかもしれません。対する鹿島学園は総監督の廣瀬龍さんと鈴木(雅人)監督のタッグでいいチームをつくってくるので、ここは「柔」と「剛」の対決になって面白いと思います。

[Hブロック]
野洲高(滋賀)、開志学園JSC高(新潟)、金光大阪高(大阪2)、徳島市立高(徳島)、◎広島皆実高(広島)、▲鵬翔高(宮崎)、○市立船橋高(千葉2)

 このブロックは今大会一番と言えるほどの激戦ブロックだと思います。特に広島皆実、鵬翔、市立船橋の山。ボクは1回戦は鵬翔対広島皆実のカードに取材に行こうと思っています。鵬翔は去年、日章学園の壁に敗れて全国に来る事ができませんでした。優勝した2年前の選手権も予選では日章学園には勝っていない。決して相性のいい相手ではなかったんですけど、今回の宮崎県予選決勝では2-0で日章学園に勝っている。エースの北村(知也)を軸に高妻(優二朗)河野(貴志)の3人は昨年からのレギュラーですし、彼らが成長してチームをけん引している。特に北村の存在は大きいです。広島皆実の組織的なサッカーに北村をはじめとした鵬翔の個人を活かす攻撃サッカーがどう立ち向かうか。

 そしてこの試合の勝者の相手は市船じゃないですか。でも市船って毎年初戦で苦戦をしています。あと磐瀬(剛)や石田(雅俊)のいた去年のチームは完成度があまりにも高すぎた。今年のチームも間違いなく強いんですけど、ボクはトーンダウンは否めないと思います。しかも今年は3バックをやっている。そうなると、鵬翔も皆実も攻撃力があってサイドを上手く使ってくると思う。市船もウイングバックが押し下げられると厳しくなると思います。後ろは藤井(拓)、打越(大樹)、志村(滉)がいるけれど、この点が心配ですね。

 野洲は相変わらず、野洲らしいサッカーをしています。草津東高との滋賀県予選決勝を見たんですけど、やっぱりテクニックはある。特に今年は1、2年生が多くて、決勝の先発は3年生が4人だけ。その下級生には林(雄飛)村上(魁)といますけれど、ボクの一番のお気に入りは山元(壮太郎)クン、1年生。これは上手いし、野洲らしい。OBの乾(貴士)を彷彿とさせます。是非見てもらいたい選手です。村上の1トップの下にパスセンスのある林と平石(健祐)を並べて左に山元。この織りなすパスワークはさすが野洲だと思いました。ただボクは新潟が激戦区だと思っていたので、そこを勝ってきた開志学園の実力はあると思ってもらっていいです。そして金光大阪は大阪予選を突破。ここは斉藤大介選手(徳島)とかボランチにいい選手が出てきたりするので楽しみです。ただ、徳島市立は選手権に出た昨年からレギュラーのほとんどが残っていて、選手権では辻(拓也)をはじめディフェンスラインが全員1、2年生だった。去年の舞台を経験した選手がいる。ボクは金光戦も優位に立つと思っていますし、吉成(浩司)さんや横瀬(善行)さんがいてインターハイなどを制した頃の強い徳島市立が見られるかもしれません。

[写真]激戦区となったHブロック、広島皆実(横路、左)と鵬翔(北村)の注目カードの勝者は果たして?


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