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[MOM1113]東福岡DF末永巧(3年)_優勝導く「衝撃の」50mV弾!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.8 全国高校総体決勝 大津高 1-4(延長)東福岡高 中銀スタジアム]

 大会のハイライトとも言える東福岡の「優勝ゴール」は、美しい放物線を描いてゴールへと吸い込まれた。“赤い彗星”こと東福岡高(福岡)の17年ぶり日本一を引き寄せる一撃は文字通り「スーパーゴール」。1-1の延長前半4分、相手のカウンターを阻んだ左SB末永巧(3年)は大津GKが前方へ出ているのを確認するとハーフウェーライン付近から右足を一閃。この日、サイドチェンジやクロスバー直撃の左足ミドルなど好キックを連発していた背番号3の右足から放たれたシュートは、50m先のゴールネットを揺らし、会場をどよめかせた。

 天皇杯福岡県予選の福岡大戦でもロングシュートを決めているという末永。「入るときっていうのはファーストタッチしたときにGKの位置が見えて『行けるかな』と思うので、その時は積極的に打つようにしています。(きょうもGKの後ろが)空いていると思った。感覚で打ちました」。蹴った瞬間に「これ、入るな」と思ったというSBはボールがGKの指先を抜けてゴールネットへ吸い込まれるのを最後まで確認すると、ベンチ、森重潤也監督の下へダッシュ。「その前に捕まりました」と興奮するチームメートに捕まった末永はすぐにもみくちゃにされてしまったが、「まずは(赤木)翼が(後半終了間際に)同点ゴールを決めてくれて続きたいなと思った。決められて良かった」と日本一を決めるゴールを心の底から喜んでいた。

 普段からセットプレーのキッカーも務める末永にとってキックは誰にも負けてはならない武器だ。「キックで負けたらほかに勝てるものはあまりない。キックでは1番になりたい」というこだわりのキック。レオーネ山口U-15時代もチームメートだったCB小笠原佳祐は「頼もしい」とその技術と高精度キックを信頼しているが、その武器はこの日、一発の展開や背後へのフィードによって何度も局面を変え、勝負どころで試合も決めた。

 「1年の時の国体で準優勝。もう1回決勝の舞台に戻って、次は優勝と思っていた。優勝で来て良かったです」。元々アタッカーで昨年はトップ下も経験していたDFは将来的にいろいろなポジションをやっていきたいという思いを持つ。東福岡に優勝をもたらしたキックをより磨きつつ、この日してのけた大仕事を自信としてさらに成長を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
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