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[総体]「まだまだ伸びシロある」高松南。無失点で県総体を制し、26年ぶりの全国へ!:香川

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[6.13 全国高校総体香川県予選決勝 高松南高 1-0 高松商高 香川県営サッカー・ラグビー場]

 平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技香川県予選は13日に決勝を行い、新人戦王者の高松南高が2年ぶりの出場を目指した高松商高を1-0で下し、89年以来26年ぶり4回目となる全国総体出場を決めた。

 立ち上がりからチャンスを作ったのは高松南。1分にMF渚孝太の右クロスをきっかけにセカンドボールを立て続けに拾い、連続攻撃を仕掛けるなど果敢に先制点を狙った。対する高松商もすかさず反撃に転じ、FW石田一樹が右サイドをドリブルで仕掛けたがフィニッシュまで持ち込めない。次第に両者、相手陣内まで攻め込みながらシュートが打てない時間が続いたが、12分に高松南が右サイド高い位置でスローインを獲得する。FW徳田空がゴール前に投げ込んだボールをDF中山知亮がヘッドで逸らすと、こぼれ球をMF浦上拓夢が押し込み、試合を動かした。

 高松商も負けじと、16分に左サイド高い位置でボールを奪ったMF塩津行世がゴール前にマイナスのパスを展開。フリーのFW西岡拓海がゴールを狙ったがミートせず。25分にもDF坂本一馬、MF箕野颯二と左サイドで繋ぎ、右に大きくサイドチェンジ。フリーで反応した塩津がドリブルからシュートを打ったが、枠を捉えることができない。「シュート精度が今年の課題。チャンスは作っていたのに決めきれなかった」と陶山輝佳監督が嘆いたように、1点が遠かった高松商は32分にも西岡がPAにフリーで抜け出す決定機を迎えたが、GK岡宗立の飛び出しに阻まれ、無得点で前半を終えた。

 後半に入ってから逆転を狙う高松商が攻勢を仕掛ける展開に。ハーフタイムに指揮官から、かけられた「前半は緊張しすぎ。流れは掴めているから、もっと相手の裏でサッカーをしなさい」という言葉に攻撃陣が反応。後半3分には右サイドからのパスに西岡が合わせたが、GK岡がセーブ。23分にも素早いパス回しから高松南の守備を崩し、西岡がフリーでPAに飛び出したが、またもやGK岡のファインセーブに阻まれるなど、「全員で集中できたと思う」(中山)と胸を張った高松南の守備を崩せなかった。

「高松南さんは自信を持ってプレーしていた。守備に回る時間が長くてもきっちりボールを繋いだり、攻める姿勢を失わなかったり良い雰囲気でやっていましたね」。そう敵将が称えたように、守備に追われた高松南だったが、33分に浦上がドリブルで相手陣内に切れ込むなど追加点を狙う意識を失わず。2点目は奪えなかったが、1-0で逃げ切った高松南が全国総体出場を手にした。

 近年は高松商や香川西高の後塵を拝してきたが、今年は2月に行われた新人戦で初優勝を達成した。3月には関東遠征を行い、流通経済大柏高(千葉)や前橋育英高(群馬)と対戦。大敗が続いたが、全国のレベルを肌で知ったことが、県1部リーグで負けなしを保ち、今大会を無失点で切り抜ける力になったという。ただ、順風満帆なここまでがあるのも、積み上げてきた歴史があるから。就任8年目の三崎輝久監督は「うちは積み上げ型のチーム。何年も基礎練習をこなしており、今の子たちも先輩たちが基礎を徹底する姿を見てきた。今日の試合も終盤に攻められてもボールをクリアせずに繋いだのも、勝てなかったけど先輩がそうしてきたのを見てきたから。たまたま今年の子たちで結果が出ただけで、長年の積み重ねがあるからだと思う」と話す。

 また、他の部活も全国行きを決めたことも力になった。「今年は女子バレーボールや女子のソフトボールなどが優勝して、相乗効果があった。日常生活で『サッカー部頑張れよ。私らは勝ったんやから、サッカー部が負けて、どないすんねん』などと声をかけられていたのは大きかったと思う」と三崎監督が分析すれば、中山も「いっぱい応援に来てくれていたので、負けるわけには行かなかった」と口にする。

 今大会を通じ、落ち着いた試合運びができるようになるなど選手たちは大きく成長したが、「まだこの子たちは上手くなる。まだ伸びシロはあると思う」と指揮官が話すように、更なる飛躍も期待できる。全国の舞台でどんな戦いを見せるか楽しみだ。

(取材・文 森田将義)
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