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[総体]堅守に加え、ポスト直撃の決定的シュート・・・“公立の雄”市立尼崎は滝二苦しめるも壁破れず:兵庫

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[6.3 総体兵庫県予選準決勝 滝川二高 1-0 市立尼崎高 アスパ五色メイングラウンド]

 昨年全国8強の滝川二高に最後まで食い下がった。堅い守りで強豪を最少失点に抑え、攻めては鮮やかな崩しからポスト直撃のシュートも打ち込んだ。だが、市立尼崎高は決勝進出の権利を掴むことはできなかった。

 前半からミスの少ない守り。相手にサイドまでボールを運ばれても落ち着いた対応で連続攻撃も断ち切った。ともに県選抜の右SB山根萌主将(3年)と左SB松井瞭汰(3年)がサイドで強さを発揮。ゴール前ではCB葉杖耕太(3年)とCB広沢泰樹(2年)が的確にボールを処理して決定打を打たせない。前半33分にセットプレーから喫した失点が勝負を決めるものとなったが、試合を通して崩されるようなシーンはわずかだった。

 堅守を印象づけたが、エースFW新角友規(3年)や10番MF中野賢司(3年)を中心とした攻撃面では力を発揮しきれなかった。SBから斜めに入れるパスなどスイッチを入れて、正確なコンビネーションで最後の局面を崩す市立尼崎は後半12分には鮮やかな崩しから松井が抜けだしてポスト直撃の左足シュート。その後も松井がスピードを活かした突破からクロスを上げるシーンもあった。だが、滝川二の圧力、またビハインドの状況も影響したか、長いボールが増えてしまい、落ち着いて前線までボールを運ぶことができず。そして崩しの回数を増やすことができなかったことを近藤照男監督は残念がっていた。

 それでも「(選手たちは)相手の2トップ、前線の選手を脅威だと感じていたと思う。でもDFは判断して守っていた。できるという自信を感じたと思う」と指揮官。体育科を持ち、タレントも擁していた市立尼崎は11年ぶりとなる決勝進出こそ逃したものの、存在感を示す大会になった。だが、全国に出るためにはまだまだやらなければならないことがある。立ちはだかる滝川二、神戸弘陵高、三田学園高という“3強”を打ち負かさなければ全国にたどり着くことができないことを指揮官も口にした。「満足することはないと思うけれど、絶対にやったるぞという強い熱意でなければ」。相手を見て、判断して攻める兵庫の“公立の雄”が「やれる」自信を胸に、冬こそ、強敵たちを上回って全国切符を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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