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[MOM1801]関東一MF石井賢哉(3年)_100分間中盤で奮闘、目立たなくても「コイツがいて助かる」ボランチに

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.11 総体東京都予選準々決勝 東久留米総合高 1-1(PK3-4)関東一高 駒沢2]

 関東一の小野貴裕監督は「守備もきくし、“黒子”としてやってくれる。サイズ無い中で、色々なことを考えてプレーしている子です」と、ボランチの位置で終始堅実なプレーをしていたMF石井賢哉(3年)を高く評価していた。主導権を握って攻める中で正確にボールを動かし、味方の崩しをサポート。また守備面では1対1や相手FWの挟みこみなどを欠かさずに相手のカウンターを阻止する。中盤の攻防戦で優位に立たせたMFはオーバーラップしたSBの後方のスペースを埋めるなど、泥臭く自分の役割を全うして勝利を縁の下から支えた。

「最近あまり調子が良くなくて、自分の中でも上手くやれていないことが多かったんですけど、自分はボランチとしてする守備、1対1とかパッキングとかチームの為にする守備とか、他のプレーはいくら調子悪くても、そこは変わらずにやることを決めていた」と石井。本人は「途中で足止まったり、足りなかったと思います」と自分のプレーについて満足していなかったが、延長戦を含めた100分間、PK戦までもつれ込んだ試合の中でその存在は大きかった。

 最終ラインの中央にCB鈴木友也(3年)、CB石島春輔(3年)というチームの柱がいる関東一において、「真ん中のラインは自分がしっかりしようと思いました」と意識高く取り組むMF。現在はボランチを務めているが、今春まではFWとしてプレーしていた。練習中に小野監督の指示でボランチ起用されたことがきっかけ。そこから「必ず出せる良さが守備のところだったり泥臭く走りつづけるところ」という石井はボランチで先発を獲得するまで上り詰めた。FWへの未練はない。「前には裏走る人だったり、前に進む人がいる。自分はそこではかなわないので、チームのための仕事を一番にやってチームを助けられるようにしたいです」と現在のポジションでチームを助ける存在になることを目指している。

 ビルドアップで面はバルセロナのMFセルヒオ・ブスケツ、守備面ではレスターのプレミアリーグ優勝に大きく貢献したMFエンゴロ・カンテを参考にボランチとしての自分を高めてきた。まずはあと1勝に迫っている全国大会出場権獲得に全力で挑戦する。「チームの助けになれるように、チームがいてほしいところにいられるような、『コイツがいて助かる』と思われるようなプレーをしたい。自分たちは関東(予選で)で負けていて、もう負けられないという考えで共通している、必ず今年も全国出場を続けて、先輩たちを越したい」。急成長中のMFは昨夏の全国4強越えを誓った。

(取材・文 吉田太郎)
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