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[MOM1811]流通経済大柏DF関川郁万(1年)_強心臓ルーキーが市船との空中戦制圧

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.21 総体千葉県予選決勝 市立船橋高 0-1(延長)流通経済大柏高 柏の葉]

 市立船橋高の3トップの中央で先発したFW矢野龍斗(3年)は182cm。後半から出場したFW村上弘有(3年)は186cmだった。市船の前線を任される猛者たちを封じるのは容易ではないノルマのように映ったが、その大型FWたちの高さを流通経済大柏高の1年生CB関川郁万が制圧した。左腕骨折による離脱から復帰してきたばかり。今大会は出場機会がなかったが、「昨日、(本田裕一郎)監督に呼ばれてチャンスもらえた」という1年生が市立船橋との名門対決で際立つ活躍をしてみせた。

 今年のプレミアリーグEASTで5戦無敗、今大会も強さを見せつけていた市立船橋との初対決。「最初は正直、何点取られるか分からなかった」というほどだったが、「頑張って気合で無失点でいきました」。特に空中戦の強さは圧巻だった。自身を上回る長身を持つ相手に対して跳躍力で上回り、ほぼ競り勝ってヘッド。試合中、相手を挑発するような物怖じしない態度、強心臓も見せつつ、「実際負けないんで、中学校の時から。自信ありました」という武器は十分過ぎるほど通用していた。後半アディショナルタイムの決勝点も関川が頭で跳ね返したライナー性のボールが起点。本人は狙いと違ったことを明かしたが、それでも強烈ヘッドが攻守で勝利をもたらしたことは間違いない。

 本人は「自分ヘディングしか無いんで」と謙遜したが、サイドのスペースへ抜けようとする相手をブロック。FC多摩ジュニアユースからの先輩でもあるCB松浦駿平(3年)の支えも受けながら、ゴール前で強さを見せつけた。主将のMF関大和も「ヘディングが強くて、跳ね返してくれる。頼りにしている」という1年生が無失点勝利の立て役者だった。

 プレミアリーグ開幕戦から名門の1年生レギュラーを務めてきたCBは5月にU-16日本代表の中国遠征メンバーに招集されたが、骨折の影響で離脱。「正直終わったかなと思った」というほどショックを受けていたが、それでも訪れたチャンスで結果を残した。全国総体への出場のチャンスも得たCBはまず地上戦でのレベルアップを宣言。そして「まだトップ上がってから1点も決めていないので点決めてひとりで守って、優勝したい」。1年生離れしたプレーを見せる逸材が今夏、全国を驚かせる。

(取材・文 吉田太郎)
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