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[総体]ブレイク候補、香川西MF本田功輝は「65点」の自己評価も破壊力十分のドリブル披露

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[7.27 全国高校総体1回戦 北照高 0-8 香川西高 東広島運動公園陸上競技場]

 四国学院大香川西高の大浦恭敬監督は左サイドの背番号8に苦言を呈していた。抜群のスピードがあるのだから、フリーでボールを受けたら一気にスペースを突けばいい。だが、MF本田功輝(2年)はフリーでボールを受けても意図的にスローダウン。あえて、相手DFを引きつけ、そこから突破してゴールシーンや決定機を演出していた。

 まだまだ粗くミスも目立つが、素材感溢れる本田のプレー。試合中に守備をサボりがちだったMFについて指揮官は何度も「本田、走れぇ!」と大声を張り上げ、試合後には苦言を呈しつつも、“プロに行ける”素材について話す表情は穏やかだった。

「抜かないと面白くない。目の前の相手を抜く自信がある」と堂々と言い切る。徳島県の藍住中時代に県新人戦で優勝しているが、高校入学までは全国どころか、四国大会を戦った経験もなかったという。

 そのMFは全国デビュー戦について「65点」と評価。それでも大きなストライドでのドリブルで一気にPAへ侵入して決定機を演出し、DF2人の間へ強引に切れこんでFKを獲得した。後半には練習で身につけたという正確な左足クロスでアシストも記録。走れなかった部分と相手の裏を突けなかった部分を減点理由にしていたが、実力が全国大会でも通用することを証明した。

 今年注目度を高めてきたMFは「注目されるのは嬉しい。それを越えるようなプレーをしたい」と力を込める。今回の全国高校総体のブレイク候補のひとり。MF登里享平(川崎F)を生み出している香川西の注目ドリブラーが広島の地をそのスピードと強さで豪快に駆け抜ける。

(写真協力=高校サッカー年鑑) 

(取材・文 吉田太郎)
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