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[MOM1827]昌平MF針谷岳晃(3年)_“伝家の宝刀”終了間際に炸裂!王者沈める2試合連続のCK弾!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.28 全国高校総体2回戦 東福岡高 2-3 昌平高 広島広域公園第一球技場]

 非常に淡々とプレーしている印象だが、独特な間合いから繰り出すドリブル、スルーパスは王者・東福岡高を十分に苦しめていた。そして、2-2で迎えた後半アディショナルタイムに抜いた“伝家の宝刀”。昌平高MF針谷岳晃(3年)の右足から放たれた左CKはGKの頭上を破ってファーサイドのポストを叩くと、ゴールラインの内側に落ちて劇的な決勝ゴールとなった。

 初出場の昌平が全国に衝撃を与える白星。それを鮮やかな放物線を描いたキックとともに実現した背番号7は「うお、来た!みたいな」と歓喜の一撃を振り返る。「みんな騒いでいなかった」ために一瞬、決まったかどうか分からず、喜ぶまでに間が空いたが、ゴールを確認すると、自身を指指してスーパーゴールをアピールした。中津東高との初戦に続く2試合連続のCK弾。今年は埼玉県1部リーグでも直接決めているCKは、センス溢れるプレーを見せる針谷の試合を決める“切り札”とも言える武器だ。「昨日良い形で入ったので狙っていました」というCKが全国2冠王者・東福岡も沈めた。

 この日はそのポジショニングの良さを攻守で発揮。そして、ボールを持った際は“何か”しそうな空気感があった。前を向いてバイタルエリアまでボールを運ぶと、スルーパスやシュートで完結。後半24分にFW本間椋が獲得したPKは針谷のスルーパスから生まれたものだ。相手DFが前に出て来たところと、本間の動き出しを見逃さずに通したビッグプレー。また東福岡の選手たちを鮮やかに抜き去って放ったシュートやDF3人を引きつけてのスルーパスなど存在感はピカイチだった。

 今年、ボランチ転向とともに注目度を高めてきた針谷にとって、この2回戦はさらに名を上げる試合となった。本人は「まだまだボール失う回数が多い」と反省しながらも「トップレベルのチームとできることはいいこと。どれくらい力が通用するか。バイタルではできたと思う」と手応えも口にする。だが、目指しているのは東福岡撃破ではなく、全国制覇。そして個人としてもステップアップに繋げたいという思いがある。「きょうのプレーじゃまだまだなんで、もうちょいレベル高いプレーしていかないと声とかかからないと思う。それを意識してやっているんですけど、意識し過ぎると良くない。いつも通りのプレーができればいい」。全国トップレベル相手にも「できる」ことは証明した。次は抜きん出た存在へ。そのために今大会、より多くの白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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