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決勝T突入の千葉予選。八千代との屈指の好カード制した日体大柏がベスト8進出!

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後半25分、日体大柏高はFW上妻楓季(左)が決勝ゴール

[6.10 全国高校総体千葉県予選決勝T1回戦 日体大柏高 2-1 八千代高 日体大柏高G]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)への出場権を懸けた千葉県予選は10日、15チームによる決勝トーナメントへ突入。今年の関東大会予選優勝校である日体大柏高と全国優勝歴を持つ伝統校・八千代高との注目対決は、FW松田一紗とFW上妻楓季(ともに3年)のゴールによって2-1で日体大柏が制した。

 今年の県1部リーグでの対戦では日体大柏が6-0で快勝。日体大柏はこの日も序盤から大半の時間でボールを保持すると、MF有坂翔耶(3年)の縦パスにFW行方孝介(3年)が走り込むなどスペースへの狙いも持って攻撃を繰り出す。

 だが、上妻が「(八千代が)凄い気合い入れてきているのは感じていた」と振り返ったように、八千代は空中戦で強さを発揮したCB米森太陽(3年)中心に集中した守り。9分にはカウンターから右MF吉田奨(2年)がスピードに乗ったドリブルで一気にDFを振り切る。そしてPAまで持ち込むと、GKとの1対1から左足シュート。これは日体大柏GK森川拓海(3年)のビッグセーブに阻まれたものの、1チャンスを得点に結びつけるだけの力を示していた。

 それでも日体大柏は20分、ポゼッションから前線の動き出しを見ていたCB白木玲二(3年)が縦パス。八千代DFが弾いたものの、このこぼれ球に一早く反応した松田が右足ダイレクトでゴール左隅に決めて先制点を奪った。

 さらにMF石田壮汰(3年)が右足ミドルを打ち込むなど、畳み掛けようとする日体大柏に対し、八千代は26分、PAへのロングボールを競ったFW山本克(3年)がPKを獲得。これをMF鈴木右人(3年)が右足で決めて同点に追いついた。

 日体大柏は追いつかれた後も余裕を持ってボールを握り、森川やCB矢倉直樹(3年)からボールを動かしていたが、守備を固める相手を引き出して崩したり、背後を取ったりするような、意図のある崩しをすることができない。

 この点については元日本代表MFの酒井直樹監督も「どうやって仕留めるか。自分たちのテンポで行けない時に自分たちでどうするのか対応力が問われる」と指摘していたが、攻めてこそいるものの、攻撃の変化が少なく、2点目を奪うことができなかった。

 一方、我慢強く守る八千代は後半、左MF正田稜(3年)が局面を破ったり、吉田が右サイドを縦についたりするなど前半以上に応援席を沸かせるシーンを作っていた。24分には攻撃参加した左SB岩井巧真(3年)が持ち込んで左足シュート。だが、その直後の25分に日体大柏が勝ち越し点を奪う。

 左サイドからの攻撃をサポートする形で2列目から飛び出したMF三浦公裕(3年)がエンドライン際からクロス。これを中央へ潜り込んだ上妻が頭で合わせて2-1とした。八千代も前線にいずれも長身のMF小堀潤也とFW奥貫颯(ともに3年)を並べて反撃。獲得したFKから同点ゴールを目指したが、日体大柏の守りに跳ね返されて1点差で涙を飲んだ。

 柏レイソルと「相互支援契約」を結んで3年目の日体大柏は関東大会予選の準決勝、決勝で計9得点を叩き出すなど、前評判が高い。だが、この日は主将のFW高橋航太(3年)や左SB佐藤建太郎(2年)が負傷欠場。また、酒井監督が「僕の感覚では良くなかった。まだまだです。波がある」と語る内容だっただけに、上手く行かない展開でも白星を引き寄せられるチームになって激戦区・千葉の戦いを乗り越える。

 柏日体高時代の86年以来となる全国切符(2枠)まであと2勝。上妻は「コンディションを整えながらまず明日しっかり勝ち切って絶対に全国出たい」。まずは暁星国際高との準々決勝突破に集中する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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