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名門の使命果たす!丸岡が秋田商とのPK戦制し、福井県勢5年ぶりとなる初戦突破!

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丸岡高がPK戦を制して初戦突破!(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.29 総体1回戦 丸岡高 0-0(PK4-3)秋田商高 松島運動公園多目的運動広場]
 
 29日、平成29年度全国高校総体 「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)1回戦が行われ、4年ぶり30回目出場の丸岡高(福井)と3年連続33回目出場の秋田商高(秋田)との伝統校対決は0-0で突入したPK戦の末、丸岡が4-3で勝利。丸岡は30日の2回戦で阪南大高(大阪2)と戦う。

 福井サッカーの歴史を変えるのは「丸岡しか、無い」。その気持ちで戦ってきた丸岡が12年の1回戦で草津東高に勝って以来、5年ぶりとなる初戦突破。これは福井県勢にとっても5年ぶりとなる大きな1勝となった。

 小阪康弘監督は「ホッとしました」と表情を緩め、「(福井県勢は)ずっと勝っていないので、全国で弾みをつけるのはウチが勝つしか無い。(歴史はあるが)俺らは俺らで新しい一歩を踏み出そうとやってきた」。夏冬通算58回の全国出場、97年度全国選手権4強、96年度全国総体8強など福井の高校サッカーを牽引してきた名門は、チャレンジャーの気持ちで掴み取った1勝を全員で喜んでいた。

 この日は雨の影響で重いピッチ。丸岡は今年の特長である繋ぎを発揮するよりもリスクを回避するようなサッカーを強いられた。その中でキープ力高く、鋭いドリブルを見せていたFW宮永任(2年)とFW和田伊利都(3年)の2トップにボールを預けて攻めたものの、なかなかシュートチャンスを増やすことができなかった。

 一方、MF松野竜士(3年)をスイーパーに配置する5バックを組んだ秋田商も、縦への速い攻撃からチャンスを作ろうとする。そして、敵陣でのスローインでは左右両サイド関係なくMF出口陽介(3年)がロングスロー。ゴール前の攻防を増やそうとし、交代出場したFW 長谷川悠(2年)のスピードも武器に1点をもぎ取ろうとする。

 だが、丸岡は小阪監督も「落ち着いてやってくれた」と評した西野太貴主将(3年)と岡倉一志(3年)の両CB、多田恵吾(3年)と三反崎凱聖(3年)のダブルボランチを中心に相手の攻撃を跳ね返していく。CB 奈良学主将(3年)中心に堅い秋田商ゴールをこじ開けることはできなかったが、相手にも1点を許さず。PK戦へ持ち込んだ。

 PK戦で先攻の丸岡は1人目が失敗。だが、秋田商の3人目のシュートが枠を外れると、「(県予選の)決勝でも止めている。彼がやるんじゃないかなと思っていた」(小阪監督)という1年生GK倉持一輝が相手の5人目を見事に止めて、決着をつけた。

 勝った丸岡の西野は今年のチームについて「必死に戦うことで自分たちの力が発揮できる。誰か一人でも手を抜いたら崩れていくので、全員の気持ちが一つになって100パーセントやれれば、絶対にやれるチームだと思います」と説明する。

 そして、全員が必死に戦って勝ち取った1勝。次は高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグに所属する阪南大高と戦う。小阪監督が「福井の子がどれくらいできるか」と期待した一戦へ向けて、西野は「ジャイアントキリング起こして、ここでさすが丸岡だな、福井と言えば丸岡だなということをみんなに見せたいですし、丸岡はやってくれるんだなと見せたいです」と意気込んだ。福井県勢の連敗を止めた丸岡が次はプレミア勢撃破に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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