積極守備で“高校ナンバー1の崩し”に対抗。日大藤沢が前回3位・昌平に逆転勝ち!
[7.30 総体2回戦 昌平高 1-2 日大藤沢高 みやぎ生協めぐみ野サッカー場Bグラウンド]
平成29年度全国高校総体 「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)は30日、2回戦が行われ、前年度4強、今年度関東大会王者の昌平高(埼玉1)と、2年ぶりの出場となった日大藤沢高(神奈川2)が対戦。昌平が前半に先制点を奪って優勢に試合を運ぶも、後半に交代選手が活躍した日大藤沢が2-1と逆転勝利。日大藤沢は31日の3回戦で帝京三高(山梨)と戦う。
前半から昌平が得意のボールポゼッションで後方から主導権を握っていく流れとなったが、日大藤沢もアグレッシブな守備で対抗する。佐藤輝勝監督は選手たちに「後のことは考えなくていい。とにかく前半から飛ばそう」と話していたと言い、相手のボール回しに対して受け身で構えるのではなく、積極的に奪いに行く姿勢を維持して戦うことを徹底した。最後に足が止まる可能性は覚悟の上でアクセルを踏み込ませたのは、それだけ昌平のことを評価していたからでもある。
「ペナルティーエリアに入っていくところのプレーに関しては今年の高校ナンバーワンだと思っている。今まで観た中でもちょっとないくらい」(佐藤監督)
実際、昌平の強さを感じることのできるゲームでもあった。前半32分には鮮やかなパスワークから相手を崩し、最後はFW佐相壱明(3年)に先制ゴールを流し込む。必ずしも昌平ペースではなかった前半で奪った1点の意味は大きく、試合の天秤は大きく傾いたかに見えた。だが、「点を取りに行くところで課題が出た。もう少し強引にでも(シュートへ)行ってもよかった」と藤島崇之監督が率直に認めたように、決定力を欠いたことに加え、美しく崩せるチームが陥りがちな罠にハマってしまっていたのは否めない。
対する日大藤沢は21分にFW三田野慧(3年)、22分にFWギブソン・マーロン(3年)を相次いで投入して運動量を確保しながら、同時に点を奪うための勝負に出る。そしてこの交代策が見事に当たった。23分、右サイドでボールを受けたマーロンのクロスを受けた三田野が冷静なコントロールから右足シュート。「決めてやろうと思っていた」という男のファースタとタッチでの一発で、試合は振り出しに戻る。そしてこの直後の24分にはDF中村翔輝(3年)の左足クロスを昌平DFが痛恨のクリアミス。これがオウンゴールになり、日大藤沢があっという間に逆転に成功した。
「立て続けの失点で流れを持ってかれた」とMF山下勇希(3年)が肩を落としたように、あまりにもダメージの大きい連続失点。この流れで昌平には少し焦りも見え隠れする。それでも得意のパスワークを駆使して相手ゴールに迫る形は作ったが、これに対して日大藤沢はDF安松元気(3年)、DF竹繁颯音(3年)らが粘り強くゴール前を固守。2-1のスコアを最後まで維持した日大藤沢がシード校を撃破し、見事に3回戦へと駒を進めた。ベンチを含めた全員一丸での一体感も感じさせる、見事な勝利だった。
(取材・文 川端暁彦)
●【特設】高校総体2017
平成29年度全国高校総体 「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)は30日、2回戦が行われ、前年度4強、今年度関東大会王者の昌平高(埼玉1)と、2年ぶりの出場となった日大藤沢高(神奈川2)が対戦。昌平が前半に先制点を奪って優勢に試合を運ぶも、後半に交代選手が活躍した日大藤沢が2-1と逆転勝利。日大藤沢は31日の3回戦で帝京三高(山梨)と戦う。
前半から昌平が得意のボールポゼッションで後方から主導権を握っていく流れとなったが、日大藤沢もアグレッシブな守備で対抗する。佐藤輝勝監督は選手たちに「後のことは考えなくていい。とにかく前半から飛ばそう」と話していたと言い、相手のボール回しに対して受け身で構えるのではなく、積極的に奪いに行く姿勢を維持して戦うことを徹底した。最後に足が止まる可能性は覚悟の上でアクセルを踏み込ませたのは、それだけ昌平のことを評価していたからでもある。
「ペナルティーエリアに入っていくところのプレーに関しては今年の高校ナンバーワンだと思っている。今まで観た中でもちょっとないくらい」(佐藤監督)
実際、昌平の強さを感じることのできるゲームでもあった。前半32分には鮮やかなパスワークから相手を崩し、最後はFW佐相壱明(3年)に先制ゴールを流し込む。必ずしも昌平ペースではなかった前半で奪った1点の意味は大きく、試合の天秤は大きく傾いたかに見えた。だが、「点を取りに行くところで課題が出た。もう少し強引にでも(シュートへ)行ってもよかった」と藤島崇之監督が率直に認めたように、決定力を欠いたことに加え、美しく崩せるチームが陥りがちな罠にハマってしまっていたのは否めない。
対する日大藤沢は21分にFW三田野慧(3年)、22分にFWギブソン・マーロン(3年)を相次いで投入して運動量を確保しながら、同時に点を奪うための勝負に出る。そしてこの交代策が見事に当たった。23分、右サイドでボールを受けたマーロンのクロスを受けた三田野が冷静なコントロールから右足シュート。「決めてやろうと思っていた」という男のファースタとタッチでの一発で、試合は振り出しに戻る。そしてこの直後の24分にはDF中村翔輝(3年)の左足クロスを昌平DFが痛恨のクリアミス。これがオウンゴールになり、日大藤沢があっという間に逆転に成功した。
「立て続けの失点で流れを持ってかれた」とMF山下勇希(3年)が肩を落としたように、あまりにもダメージの大きい連続失点。この流れで昌平には少し焦りも見え隠れする。それでも得意のパスワークを駆使して相手ゴールに迫る形は作ったが、これに対して日大藤沢はDF安松元気(3年)、DF竹繁颯音(3年)らが粘り強くゴール前を固守。2-1のスコアを最後まで維持した日大藤沢がシード校を撃破し、見事に3回戦へと駒を進めた。ベンチを含めた全員一丸での一体感も感じさせる、見事な勝利だった。
(取材・文 川端暁彦)
●【特設】高校総体2017