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決勝は不発。得点王逃し、課題もあったが、U-17代表CB関川はインハイでインパクト残す

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流通経済大柏高のU-17日本代表CB 関川郁万。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.4 総体決勝 流通経済大柏高 1-0 日大藤沢高 ユアスタ]

 前半に関しては前日の決勝ヘッド、来るボール全てを跳ね返していたような大活躍から一転、全く体が動いていない印象だった。U-19日本代表FW安藤瑞季(3年)に対抗した長崎総合科学大附高との準々決勝、得点ランキング首位のFW榎本樹(2年)、185cmFW宮崎鴻(3年)を封じ込んだ前橋育英高との準決勝の後に迎えた決勝。疲労もピークだったか、前半はマッチアップした日大藤沢高FW柏木純(3年)に食いついたところで入れ替わられたほか、空中戦でも競り負けるなどなど、柏木に主導権を握られてしまっていた。

 流通経済大柏高のU-17日本代表CB関川郁万(2年)は今大会4得点で、得点ランキング首位の榎本と1得点差の2位で決勝戦を迎えていた。得点王と優勝の2つを期待されて決勝に臨んだが、守備でリズムに乗れず苦しい戦いとなった。

 この日は普段、スペイン代表CBセルヒオ・ラモスの動画を見たりするルーティーンができず。自ら崩れてしまっていた。「前半のまま行ったら負けていたと思う」というような内容だったが、後半は自慢の豪快ヘッドを見せるシーンが徐々に増えるなど何とか立て直すと、競り合いの強さを発揮して完封勝利に貢献。それでも、試合後はルーティーン頼みになっていたこと、今後は前半のうちに立て直すことを改善点に挙げていた。

 狙っていた「CBの得点王獲得」も今後の大会へおあずけに。「きょうは合わなかったですね。取りたかったんで、1点は。2点は欲張りすぎかなと思ったんですけど1点は取らないとダメ。苦しい場面でセットプレーは取らないといけない」。要求は繰り返していたものの、上手くキッカーとタイミングを合わせることができず、シュートを放つことができなかった。それでも「一人で守って点も取る」ことを掲げるCBにとっては、これまで以上に攻守両面で活躍したインターハイとなった。

 プロになるためにはこの2年生の1年間が大事だと認識している。今回のインターハイでは、対戦相手を圧倒するような、インパクトあるパフォーマンスを見せて大会優秀選手に選出された一方で課題も見られただけに、「プロになるためにはまだまだです」と関川。改善すべきところを改善すること、そして「個人的には代表選ばれてワールドカップ(U-17W杯、10月)行けたらなと思いますし、プリンス(リーグ)も得点決められていないのでアピールしたい」という目標を実現することを目指しながら、規格外のCBはまた進化する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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