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[MOM2874]実践学園FW佐藤恵允(3年)_身体能力では「譲れない」。コロンビア系の注目FWが存在感示し、1得点

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実践学園高FW佐藤恵允は後半に1ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.19 インターハイ東京都1次予選2回戦東京朝鮮高 0-2 実践学園高 実践学園高G]

 実践学園高OBのDF新井直人が現在、新潟でブレイク中。ルーキーながら先発出場を続けている。深町公一監督がその教え子に「(将来的に)匹敵するくらいやってくれると思う」と期待する選手が、FW佐藤恵允(けいん、3年)だ。

 この日は前半から個の強さを活かしたプレー。右サイドでボールを収め、パワフルな動きでボールを前進させていた。本人は「個人的には前半ダメダメで、抜き切ったり、もうちょっとできたと思います」と反省していたが、スピードも備えた10番は存在感。そして、後半もサイドからの仕掛け、ボールキープで攻撃を牽引すると、22分に勝負を決定づけるような一撃を決めた。

 実践学園は左サイドタッチライン際でボールを受けたFW永瀬啓太(3年)が前方のスペースへパス。前線を追い越す形で飛び出したMF佐伯紘汰(3年)がグラウンダーのクロスを入れると、これに走り込んだ佐藤が右足ダイレクトでゴールに突き刺した。

 佐藤は「苦しい場面で仕事を果たせるのがエースだと思っていて、そこをきょうの試合では最低限できたと思います」。深町監督は彼の守備面も信頼し、昨年はSBとしても起用。指揮官も「自分のやるべきことを淡々とすることができる」と評するFWは、この日も献身的なプレーを貫き、強豪対決勝利の原動力となった。

 コロンビア人の父と日本人の母、そして「ケイン」の名を持つ佐藤は、「身体能力では自分、譲れないものがある」という。だからこそ、この日のパフォーマンスについては不満の表情。「自分たちは最終的に全国のベスト4というのを目標にしていて、それに向けて(現在の)自分の身体の強さがそれで良いのかと言ったら全然ダメだと思う」と力を込めた。

 ボールサイドでの攻防激しい東京朝鮮相手に目立つプレーをしたが、クロスを上げ切ることができなかったり、精度を欠いたシーンも。チームを全国ベスト4へ導くためにはまだまだ足りない。「自分はもっとできる」と頷くFWは、憧れのフランス代表FWキリアン・ムバッペのように、より強さやスピードを試合で発揮し、ゴールも決める選手になって目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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