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神戸U-18、C大阪U-18に連勝してインハイへ。走力、献身性向上の東福岡が日本一奪還に挑戦

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日本一奪還に挑戦する東福岡高イレブン

 “赤い彗星”東福岡がインターハイ優勝に挑戦する――。夏の高校サッカー日本一を争う令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」サッカー競技(沖縄)が7月26日に開幕する。激戦区・福岡で8連覇の偉業を成し遂げた東福岡高は、静岡の強豪、清水桜が丘高との1回戦から日本一奪還へ向けた戦いをスタートする。

 選手権優勝2回、インターハイ優勝3回の歴史を持つ“赤い彗星”こと東福岡。近年、福岡県内で一つ抜けた存在になっている印象の東福岡は、今年もJ1クラブが注目するU-17日本代表MF荒木遼太郎主将(3年)や、U-17日本代表歴を持つCB{{丸山海大}(3年)、U-16日本代表候補MF{青木俊輔}}(2年)、快足右SBモヨマルコム強志(3年)、“走る技巧派”MF上田瑞季(2年)、大型CB大串啓太郎(3年)ら実力派を擁し、県内のタイトルを取り続けている。だが、新人戦、総体の九州大会はいずれも4強入りを逃し、プレミアリーグWESTも第8節まで3勝5敗と黒星が先行。GKや他のポジションにも怪我人が出るなどチームにとって難しい時期が続いていた。

 それでも、プレミアリーグWEST第9節(7月6日)でヴィッセル神戸U-18(兵庫)に2-1で劇的な逆転勝ち。0-1の後半残り6分から、この日本来のボランチではなく1トップに入っていた荒木とモヨが決めて試合を引っくり返したが、この勝利がチームのターニングポイントになっている。

 選手たちがこの試合の勝因に挙げたのは走る力だ。荒木は「走力は最初に比べれば全然みんな走れるようになって、ヴィッセル戦も走力で勝ち切ったと自分的には感じている」と語り、MF水野畝蓮(3年)は「『チームのために最後まで走りきろう』という気持ちをチーム一人ひとりが持つことができるようになってきている。(また) 最初の頃は一人ひとりの技術のところに頼ったり、最後の守備のところとか『誰かがやってくれるだろう』と。でも、今では悪い意味での『俺が、俺が』ではなく、『チームのために俺がやってやる』っていう気持ちが出てきたと思います」と分析する。複数の年代別日本代表を擁する神戸U-18相手に各選手がチームのために走り抜いて勝利。連敗を止めたこの一戦で選手たちは自信をつけたようだ。

 東福岡サッカー部の礎を築いた志波芳則総監督も「結構、走れるようになった」と評価。ただし、課題はまだまだある。志波総監督は「あとは走る質。もっとスプリントの質を上げないといけない」と加え、14年、15年にインターハイ連覇、15年には夏冬連続日本一へ導いている森重潤也監督も「もっと逞しくなって欲しい」と語った。身につけてきた走力に加え、個々の技術の高さを活かしたスピーディーなパスワークやオープン攻撃に注目の東福岡だが、全国大会で勝ち抜くためにはより走る質が必要。加えて、個々が自分のことだけに精一杯になるのではなく、チームに良い影響を与えられる選手、勝たせる選手になっていくことも必要だ。
 
 チームが変化し、それが好結果に繋がりだしていることは確か。ニューバランス社のフットボールスパイク、「4-4-2」の新色「赤」の試し履き会が行われた7月11日のトレーニングも雰囲気は上々だった。荒木は「(神戸U-18戦は)今までに無い勝ち方だったので、そこはプラスに考えて、次のセレッソ(大阪U-18)戦も勝てばインハイに良い形で繋がるので、勝てるようにみんなで気持ちを一つにしていきたい」と語っていたが、そのセレッソ大阪U-18(大阪)戦でも上田の2ゴールと荒木、丸山のゴールによって4-2で快勝。インターハイへ弾みをつけた。

 インターハイの初戦の対戦相手は静岡の強豪、清水桜が丘。2回戦では昨年の準優勝校・桐光学園高(神奈川1)が待ち構える組み合わせとなった。丸山は「まず初戦しっかり勝ち取れるように集中して挑めれば良い。神戸戦で手応えを感じたし、終わってからの練習の雰囲気も神戸戦と挑んだ時と同じような気持ちを保てているので、これを続けてインターハイに臨めれば」と語り、モヨは「点決めたいです。チームとしては去年、早い段階で負けているので優勝目指してやっていきたいです」と宣言。14、15年の連覇の後は強豪対決で屈したり、好内容の試合を続けられずに上位進出を逃しているが、今夏は質、量でライバルに差をつけて頂点を奪い取る。

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(取材・文 吉田太郎)

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