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走力と“トリックFK”で関東王者・久我山を攻略! 神村学園が3発逆転勝ち!

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後半16分、MF樋渡鯉太郎(15番)のゴールを喜ぶ神村学園高イレブン。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.26 総体1回戦 神村学園高 3-2 國學院久我山高 金武町フ]

 神村学園が関東王者撃破! 夏の高校サッカー日本一を争う令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」男子サッカー競技(沖縄)が26日、開幕した。鹿児島の強豪・神村学園高と関東大会王者・國學院久我山高(東京1)との一戦は、神村学園が3-2で逆転勝ちした。神村学園は27日の2回戦で西原高(沖縄2)と戦う。

 序盤は神村学園が押し込み、MF濱屋悠哉(3年)のシュートなどに持ち込んだが、前評判の高い國學院久我山が徐々にギアを上げて行く。ボールを支配し、國學院久我山は前向きなパスが増え、抜群の突破力を持つ右FW戸坂隼人(3年)を活用。12分に戸坂の仕掛けからFW山本航生(3年)が1タッチシュートを放つ。これは神村学園GK吉山太陽(2年)がセーブしたが、國學院久我山はその後も高い位置でのインターセプトから連続攻撃に持ち込んだ。

 そして、クーリングブレイク明けの25分に國學院久我山が先制する。敵陣でのポゼッションからMF田中琢人(2年)がインフロントにかけた右足ミドル。これがゴール左隅に突き刺さった。

 一方、MF軸丸広大主将(3年)が予選後の負傷によって不在の神村学園は、我慢の展開。だが、飲水タイム直後の32分、CKの流れからクロスのこぼれ球を繋ぎ、最後はFW寺田聡(2年)が左足で決めて同点に追いつく。

 さらに前線からのプレスで相手のミスを誘う神村学園はアディショナルタイム、MF樋渡鯉太郎(3年)が左サイドでのインターセプトから独走。最後はGKと2対1の状況をつくり、樋渡のラストパスを寺田が1タッチでゴールに押し込んだ。

 神村学園のゲーム主将を務めた濱屋は、「(先制されたが、)走り負けないと思っていたので、気持ちを落とさずに逆転しに行こうという気持ちでいました」と振り返る。攻撃型のチームである神村学園がボールを握られ、守備する時間の長い展開に。それでも、濱屋が「(ボールを支配されることは)分かっていたので、耐えて、しっかりと集中して頑張りました」というように、強敵に勝つために自分たちの“もう一つの強み”である走力を駆使して戦った神村学園が試合をひっくり返した。

 神村学園は、後半16分に貴重な追加点を奪う。PAわすかに外側のFKからサインプレーでDF陣を攻略。囮の2選手を走らせてから、濱屋、MF永吉飛翔(2年)と繋ぎ、最後は“壁”の裏側へ抜け出した樋渡が右足で決めて3-1と突き放した。「県大会の前から練習していたんですけれども、県大会では出さずに全国で出しました」と濱屋。準備していた“トリックFK”で関東王者を突き放した。

 國學院久我山も諦めずに攻め、後半終了間際に交代出場FW吉田圭佑(2年)が奪い返す。だが、最後まで走り抜いた神村学園が3-2で勝利。濱屋は「1試合1試合全力でしっかりと勝っていって、自分たちはチャレンジャーという気持ちで全国制覇へ向けて頑張っていきたい」。強敵を突破した神村学園が、“隣県”沖縄で大暴れする。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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