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攻撃スタイル貫き、大津苦しめた秀岳館。勝つための課題改善して選手権へ:熊本

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秀岳館高の10番MFペドロ・エンリケ・カンポス・ダ・コは存在感ある動き

[6.2 インターハイ熊本県予選決勝 大津高 4-0 秀岳館高 水前寺陸上競技場]

 秀岳館高へ校名変更後、初となるインターハイには手が届かなかった。それでも、秀岳館は、プレミアリーグ勢の大津高相手に面白みのある攻撃サッカー。特に前半は2度、3度と決定機を作り出し、名門のゴールを脅かした。

 ともに対人の強さも見せていた仁木悠真(3年)と西村陽佑(3年)の両CBが、幾度も前方のスペースへ運ぶドリブル。また、1タッチパスを繰り返していたMF山田有斗(2年)が突如スペースへ抜け出して仕掛けてみたり、MF深川碧斗(3年)が右サイドからのアタックを繰り返して決定機を演出したり、SB村上遼太郎(2年)が前線に張り付いてみたり、相手との力関係や状況に応じて個やチームの持ち味を発揮していた印象だ。

 中でも10番のMFペドロ・エンリケ・カンポス・ダ・コ(3年)は献身的なディフェンスとスペースへのドリブル、好パスで一際存在感を放っていた。前半15分には右サイドでの奪い返しからアウトサイドに掛けたパスで決定機の起点に。同26分にもドリブルから強烈な右足シュートを打ち込んだ。

 前半、ピンチもあったがGK小林拓未(3年)のファインセーブなどで凌ぎ、ポゼッション含めて互角以上とも言える内容で後半へ。段原一詞監督も「僕たちがやるべきことをやれば、ある程度やれると思っていた」と説明する。

 だが、「大津の方が試合巧者で僕らのウィークを突いてきた」と段原監督。後半5分にミスでボールを失うと、DFラインギリギリのところで背後を取られて先制点を奪われてしまう。さらにミスが続いた秀岳館は10分、12分と背後を取られる形で連続失点。段原監督は「精神的に立ち直るまでに時間がかかってしまった」と残念がる。

 この後、落ち着きを取り戻してチャンスも作り出したが、それ以上に背後を取られ続け、35+5分に4失点目。前日に延長戦を戦い、体力も厳しい中で差をつけられて準優勝に終わった。それでも、個々の技術力、判断力を活かした多彩な攻撃が通用したことは間違いない。課題を再確認したチームはスタイルを貫きながら、課題を改善して選手権で熊本制覇に再挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
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