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[MOM3472]綾羽MF川村洸大郎(3年)_怪我から復帰し、チームに「背骨」通したボランチ

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綾羽高の大黒柱、MF川村洸大郎主将

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.3 インターハイ滋賀県予選準決勝 水口高 0-1 綾羽高 布引グリーンスタジアム]

 G大阪育成組織の指導をした経歴も持つ岸本幸二監督が、「アイツが入ると、“背骨”がしっかり通る」と信頼を寄せるリーダーだ。綾羽高MF川村洸大郎主将(3年)は今年、右足首の負傷によって約2か月間離脱。5月に復帰したばかりで、インターハイ予選は「(あまり準備期間がなく)だいぶ怖かった部分があります」と振り返る。

 復帰直後は「空回りしていた」という川村だが、「チームのみんなが支えてくれた」。そのお陰で徐々に自分のパフォーマンスを取り戻してきている。現在は右足CKをチームメートに任せているが、本来は左右両足でプレースキックを蹴ることのできるMF。この日は立ち上がりから声でチームを引き締め、ボールを持つと一際判断良くボールを動かしていた印象だ。

 前半もチャンスの起点となっていたが、後半はより多くボールに触れて攻撃をコントロール。状況を見て、判断を変えながらボールをサイドへ散らしていた。「岸本先生からもサイドからと言われていて、水口高校さんも真ん中を閉めているイメージがあったので、(西本悠亮とともに)僕らのボランチ2人でリズムを作れて、サイドから攻撃できたかなと思っています」。そして、ハードワークでもチームに貢献。攻守で勝利に貢献した。

 川村は自分が柱だという自覚を持って、ピッチ上で振る舞っている。「そこは一番こだわっているところがあって、そこに対しての自分の中の要求は一番高いと思っています。ピッチ内もそうですし、ピッチ外でも自分が折れたらダメだと思っているので、しんどい時こそ自分が鼓舞できればと思っています」。高みを目指すからこそ、より速く判断してプレーすることを自身に課している。

 この日のパフォーマンスにも満足はしていない。「きょうはだいぶできたけれど、まだまだ上を目指してやっていきたい」と語る“綾羽の背骨”が、決勝でもチームをプレーと声で引っ張り、2度目のインターハイ出場へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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