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[MOM3485]尚志MF松尾春希(3年)_10番はパートナー欠場の決勝で守備奮闘、求める「大事な」ゴールも

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前半24分、尚志高の10番MF松尾春希が先制PKを決める

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.6 インターハイ福島県予選決勝 尚志 5-0 帝京安積高 Jヴィレッジスタジアム]

 2試合連続先制ゴール。尚志高のMF松尾春希(3年=ジェファFC出身)は、「大事なところで獲れる選手になりたいので、そういうところは良かったですね」と頬を緩める。序盤に押し込まれた尚志だが、特長であるショートパスでの繋ぎと追い越す動きで主導権を握り返すと24分、左のMF鈴木彪馬(3年)から折り返しを受けた松尾がドリブルでPAへ侵入。PKを獲得し、自ら右足で決めた。

「流れの悪い中でああやって点を獲れたのは、良かったと思います」と松尾。ゴールを奪う、演出できるボランチが理想像のMFは、思い描いていた通り、チームに「大事な」先制点をもたらした。

 この日は、本来ダブルボランチを組むMF新谷一真(3年)が負傷欠場。トップ下から下りてきたMF松本勇斗主将(3年)とコンビを組んだ。「一真がずっと守備的みたいな選手で、いなくなって自分がするしかないので」という松尾は、普段以上に守備面を意識し、セカンドボールの回収なども光る試合だった。

「ずっと(守備を)一真に任せるのは良くないなと思っていて。今日は自分もやらなきゃな、という思いでやって上手くできたと思います」。推進力のあるドリブルで中盤からボールを運び、展開の部分も安定していた10番については仲村浩二監督も称賛していた。

「マン・オブ・ザ・マッチは松尾ですね。きょうは彼が効いていましたね。物凄く安定していました。(最近は)先制点とか大事なところで獲ってくれています」

 前に出ていくこと、運動量を意識し、チームを勝たせる活躍をした松尾だが、満足はしていない。「ちょっと相手が強くなるとできなくなったりするので、強くなった時にできるようになりたいですね」。大舞台で活躍するためにはまだまだ成長することが必要。この日出場権を獲得したインターハイは尚志にとって初となる全国制覇を目指すと同時に、自分の実力をアピールする大会でもある。

「結構全国の色々な選手とやれるのは楽しみですし、自分も(全国大会に)出場するのは初めてなので。(今日のように)こうやってチームに貢献しながら、自分をプロや大学とかにアピールできたらと思っています」
 
 兄のDF松尾勇佑(現関西大)は、市立船橋高(千葉)1年時の16年インターハイで優勝を経験。目の前の一戦一戦に集中しながら、自身も「大事な」得点を獲って全国制覇を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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