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染野唯月、阿部要門に続く尚志のエースFW村上力己はゴールに加え、先輩たちとは異なる強みで優勝貢献

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前半34分、尚志高の2点目を決めたFW村上力己(右)がガッツポーズ。左は2得点のMF齋藤幹太

[6.6 インターハイ福島県予選決勝 尚志 5-0 帝京安積高 Jヴィレッジスタジアム]

 先輩たちのような特別な武器はない。だが、21年尚志高のエースストライカーは自分にできることでチームの勝利に大きく貢献している。

 FW村上力己(3年=MIRUMAE.FC出身)は身長170cmと特別なサイズ、身体能力もないが、仲村浩二監督から「村上は相当な良い選手だと思います」と評価を受けているプレーヤーだ。

「守備に入るタイミングが速いので、みんな動きやすいです」(仲村監督)という部分に加え、ポストプレーも正確。福島決勝ではポストプレーやスペースを作る動きでも貢献していた。そして、1-0の前半終了間際にはMF黒瀬舜(3年)からの折り返しに反応すると、DFと競りながらダイレクトで左足を振り抜き、ファインゴール。「自分が決めて、勝つ」という目標も果たした。
 
 尚志はFW染野唯月(現鹿島)、FW阿部要門(現山形)と2年連続でエースストライカーがプロ入り。村上は染野のような圧倒的な得点力や跳躍力、阿部のようなスピードや強さが無いことを自覚している。

 それでも、「守備とか攻撃のアイディア、抜け出しとか色々なところに顔を出せるところとか負けていないと思います」と村上。評価の高い守備に加え、精力的な動きで崩しに係わり、自らゴールを奪うなどチームにとって欠かせない存在になっている。

 その村上は、先輩たちに追いつき、追い越すことが目標だ。「先輩2人プロへ行って、自分も付いて行きたいですけれども、まずは自分ができることを精一杯やって、いつか、越せるように頑張りたいと思います」。今は自分ができることに集中する。

 2年前のインターハイではFW山内大空(現青山学院大)が得点王を獲得して3位。18年度の選手権では染野が得点王に輝き、3位に入った。それだけに、インターハイでは「毎試合点を獲ってチームを勝たせる存在になって行きたいし、得点王も狙っていきたいです」。自分の役割を全力で表現しながら、貪欲にゴールを重ね、尚志を頂点へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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