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関東高校大会Bグループ決勝は桐生一が地元・韮崎を3発撃破!

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Bグループで優勝した桐生一高が田野豪一監督の名前から取った「5-1ポーズ」で優勝を喜ぶ

[6.7 関東高校大会Bグループ決勝 韮崎高 1-3 桐生一高]

 7日、令和3年度 第64回 関東高校サッカー大会(山梨)Bグループ決勝戦で地元・韮崎高(山梨2)と桐生一高(群馬2)が対戦。桐生一が3-1で勝った。

 先に決定機を作り出したのは、OBの小泉圭二新監督を迎えた新生・韮崎だ。公立校でコロナ禍の対外試合制限がある中、今大会は「県外とやるチャンスだし、トレーニングしたことを守備・攻撃と凄く整理して子供たちもやってくれているので、それが県外のチーム相手にどれくらい通用するのか見たかった」(小泉監督)と捉えて、現状のベストの陣容で出し惜しみすることなく挑戦した。

 佐野日大高(栃木2)と國學院久我山高(東京2)を破って決勝へ勝ち上がってきた韮崎は前半11分、右SB岡田聖亜(3年)が右サイドから斜めのラストパス。これを俊足エースFW鈴木斗真(3年)が1タッチで合わせたが、シュートは枠上へ外れた。

 一方、桐生一は「(多くの選手に経験を積ませることと)選手の組み合わせを意識しながら、来週のインターハイへ向けて(けが人を除いて)全員使うことができた」(田野豪一監督)。今年は下級生時からの経験者が多く、特に期待値の高い世代。ターンオーバー制を活用しながら八千代高(千葉2)と桐光学園高(神奈川2)を破った桐生一はこの日、今大会出場時間の少なかった選手たちに主軸のDF椋野眞登(3年)やDF梅崎拓弥(3年)を加えたメンバーで戦った。

 その桐生一は後方からボランチを経由して丁寧なビルドアップ。DF白山眞二朗(3年)の左足や、懐深いボールキープと一発の切り返しで3人を振り切るようなプレーも見せていた注目ルーキー・MF清水大嗣(1年)のテクニックをアクセントにボールを前進させていく。序盤は韮崎に縦パスを狙われ、速攻を受けていたが、ピッチを広く使う形でボールを動かすと27分に先制点を奪った。

 右タッチライン際でボールを受けたMF大隅斗聖(3年)がマークを外して一気に前へ。そして、GKの鼻先を抜ける絶妙なクロスを入れると、ファーサイドのMF原嶋飛翔(3年)が1タッチでゴールへ流し込んだ。

 韮崎は29分に鈴木がドリブルシュートで相手ゴールを脅かすなど、ショートカウンターや岡田のロングスローなどを交えてゴールへ。相手の決定的なシュートをブロックしたCB大野孔之(2年)やMF佐藤寧峰主将(3年)らの好守もあり、プリンスリーグ関東勢の桐生一に対抗する。だが、椋野中心に切り替えの速い守りを見せる桐生一が次の1点を挙げた。

 後半8分、桐生一は右サイドでパスを繋ぐと、梅崎のスルーパスを起点に鮮やかな崩し。MF関根大就(3年)のクロスを交代出場のMF浅田陽太(3年)が頭で合わせて2-0とした。だが、韮崎は11分、岡田が右サイドでの奪い返しからアーリークロス。これをファーサイドの鈴木が左足で決めてすぐに1点差とする。

 韮崎はこの後もカウンターからチャンスを作ったが、桐生一は21分、敵陣でインターセプトすると浅田からのラストパスを受けた原嶋が切り返しから右足で決めて3-1。その後、主将のMF金沢康太(3年)や注目エースFW寶船月斗(3年)らを投入して追加点を目指した。

 寶船が鋭い切り返しでDFを置き去りにするなど相手ゴールへ迫ったが、韮崎も健闘。そして、諦めることなく戦い、勝利を目指したが、桐生一が押し切り、各都県2位によるBグループを制した。

 勝った桐生一は関東大会でFW島野大和(2年)や清水がポテンシャルの高さを示すなど前向きな3試合に。主将の金沢は「チーム全体の底上げという部分では、この大会で上手く個人個人表現できたと思います。普段チャンスのなかった選手が『オレがやってやるぞ』、というプレーも見えましたし、スタメンのいつも出ているメンバーも『取られないぞ』とお互いに切磋琢磨できたと思います」と頷く。

 間もなくインターハイ予選初戦。田野監督は「まずは来週、どれだけきっちり勝つか。一戦一戦大事に勝たないといけない」と語った。最大のライバル、前橋育英高にとの戦いは今季1勝1敗。関東大会予選決勝で敗れ、「本当に小さな部分だったんですけれども、球際やハードワークの部分で育英の方が上回っていたと思います」(金沢)という敗戦の悔しさもバネに、また成長してきた桐生一が群馬の戦いを勝ち抜く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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