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“中田世代”の主将、小泉新監督就任の韮崎が関東大会Bグループ準優勝。経験も力にインハイへ

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韮崎高の俊足エースFW鈴木斗真は追撃ゴールを決めた

[6.7 関東高校大会Bグループ決勝 韮崎高 1-3 桐生一高]
 
 4月にOBで元主将の小泉圭二監督が就任した伝統校・韮崎高(山梨)は、関東高校大会Bグループで佐野日大高(栃木)と國學院久我山高(東京)をいずれも1-0で撃破。決勝で桐生一高(群馬)に敗れたが、切り替え速く、粘り強い守りに加え、右SB岡田聖亜(3年)の右クロスから俊足エースFW鈴木斗真(3年)が追撃ゴールを奪うなど地元で堂々の戦いを見せた。

 昨年から10番を背負い、関東大会でもゴール・仕掛けの部分で存在感を示した鈴木は「(ゴールシーンは)自分にボールが流れてくると思ったので冷静に見てゴールに流し込むだけでした」と語った一方、「最初のチャンスで自分が決めてチームに良い流れを持って来たかったです」と悔しがる。1点差に迫った直後に失点するなど1点の大事さを痛感する試合にもなった。

 小泉監督は就任後、「言い続けているのは、ゴール前の粘り強さ、守備のところですね。失点しないことの大切さ。そして攻撃のところでは最後のアタッキングエリアのところの迫力がないと絶対に点は獲れないので、そこを今こだわってやっています」と説明する。まだまだ表現できていない部分もあるが、選手たちは意識高くトレーニングに臨み、競争しながらチーム力を高めているようだ。

 小泉監督は元日本代表MF中田英寿氏と同期。2年時にはともに選手権へ出場したが、日本一を目指した3年時には山梨県予選で敗退するという悔しい経験をしている。選手権への思いを強く持っている指揮官だ。

「(高校3年時に)非常に悔しい思いをして、指導者になって何とかもう一回全国の上を目指すという目標で教員になって、今回監督というチャンスを頂いたので何とか生徒たちと一緒に頑張って結果を出して行きたいと思っています。経験と自信と課題と……色々と整理していくと凄く良いチームになっていくと思います」

 インターハイ優勝や選手権準優勝5回の歴史を持つ伝統校・韮崎の良い部分を継続しつつ、新しい時代に沿った部分も加えていく考えだ。鈴木は「やるべきことは変わらないですけれども、一人ひとり意識レベルを高くしてそれが試合に出ている」。失点しないことへのこだわりや迫力を持っての攻撃が関東大会出場、Bグループ決勝進出の原動力となった。
 
 インターハイ予選が間もなくスタート。鈴木は「1年生の時に先輩たちに全国連れて行ってもらって今がある。(後輩たちに)良い思いをさせてあげたいです」。関東大会の経験も力に上へ。大目標とする選手権に出場するためにも、激戦区・山梨を勝ち抜き、インターハイで経験を積む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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