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遅すぎた1点。横浜創英は連動性高い崩しで魅せるも、神奈川準決勝敗退に

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横浜創英高の中盤で存在感ある動きを見せたMF菅原遼介

[6.19 インターハイ神奈川県予選準決勝 東海大相模高 2-1 横浜創英高]

 16年以来となるインターハイ出場を狙った横浜創英高は、主導権を握って攻め続けたものの、惜敗。全国大会には手が届かなかった。

 2年生7人が先発した横浜創英は立ち上がり、雨もあってビルドアップでのミスが増えて落ち着かない展開に。22分には、セットプレーから先制点を奪われてしまう。だが、失点で崩れるのではなく、逆にここから攻撃の精度が上がり、“創英モデル”のコンビネーションサッカーを展開。狭い局面を複数の選手で打開し、ゴールへ迫る回数を増やした。

 チームの大黒柱であるCB細野竣文主将(3年)やMF鈴木蒼央(3年)、そして宮澤崇史監督が「判断が物凄く速い子でインサイドパスがズレない。守備もできてボールも配球できるので、チームの核ですね」と評するMF菅原遼介(3年)を中心にボールを動かし、東海大相模高を攻め立てた。

 同じくポゼッションスタイルの東海大相模高に対し、ボールの握り合いで優勢に。だが、後半は宮澤監督が「縦に入る回数が少なかったです、もう少し相手を引き出したかった。スリッピーで1タッチ、2タッチで入れるのが難しかった」と振り返ったように中央を締めて守る相手の前に縦パスを入れる回数を十分に増やすことができない。

「バイタルエリアのところが一番面白いところなんですけれども、表現できなかったですね」と宮澤監督。後半15分にMF村上貴一(3年)の左クロスからMF木村海翔(2年)がポスト直撃のヘッドを放ち、27分にもワンツーから木村海がシュートへ持ち込むが、1点が遠い展開となった。

 サイドからのワンツーは効果的だったが、より中央から崩してサイドを活用したかったところ。そして、カウンターから痛恨の2点目を奪われた。それでも、終了間際は退場者を出した相手を再び押し込み、村上のカットインシュートがクロスバーを叩く。だが、好守を続ける相手を飲み込むことができない。40+5分にCB岩崎蔵人(2年)のヘッドで1点を返したものの、残された時間はほぼ無かった。

 今年の横浜創英は下級生の先発選手が多いものの、宮澤監督が「今年はそこそこ技術もあって、色々な情報をキャッチできる子が多い」という世代。状況に応じて、細かなポジショニングの変化や短いスプリントで局面を変えることができるという。シーズン開幕当初は苦戦したが、今後への可能性も示したインターハイ予選に。指揮官は「落ち着いてやれればこれから伸びていく可能性がある。今日が、あの時の負けがあったから俺たち選手権出れたよな、という一日になれれば。これからの取り組みだと思うんですけれども、良い負けにしてあげたいですね。あの負けで変われたなと」。惜敗した悔しさもバネに選手権初出場を目指す。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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